うまくいかないことをたのしむ人たちがいる

ギャンブルにはまる人のなかに、他のことはほぼうまくいく人がいる。ぼくはそうではないのだけれど、うまくいくことに飽きることがある。ただの飽き性ともいえるが、おなじような仕事がつづきコツをつかんでくるとつまらなくなってしまうのだ。だからこそぼくは珍しい経歴をもっているのだと思う。
映像ディレクターからはじめたものの、企画をいっしょに頼まれるようになり、コピーライティングに興味をもって広告の仕事がふえていく。広告の仕事で経営者と話す機会がふえたことが理由だとは思うのだけれど、事業に興味をもち、配信をやってみたらコロナ禍になって需要がふえる。すべていまも行なっていることなので、なんの仕事ですか？と依頼があった時点でたのしい。偏りなくご依頼をいただけることは感謝しかない。そして今年からCMプランニング、コピーライティング、動画編集を教えることもはじめた。
しかしやはりコトバや企画に興味をもったのは大枠だけが決まっていて、あとは自由にかんがえられるからだろう。CMがやっぱりいちばん性に合っていると思う。決して自分のためではないけれど、そこには自分の視点が存在して、世の中から離れすぎないように調整したり、迎合しすぎないようにしたり。
おっと。経歴をかくつもりではなかったのに変な展開になってしまった。

町から借りている畑でほうれん草を育てていたのだけど、いつまでたっても大きくならないので、あきらめて収穫した。なぜだろうなぁとうまくいかないことをヤキモキしながらどこかたのしんでいる。向いてないなぁと思いながら次はどうしようかとかんがえている。かんがえる材料があることはたのしい。うまくいってしまうと材料が減ってしまって、なんかね。うまくいくことってムードがないんですよね。町の畑は遠くて、自転車しかもたないぼくにはお世話がむずかしい。そんないいわけをしながら家庭菜園をはじめました。いいわけが消えたのでなんとか大収穫してみたい！日当たりがすこし心配なのだけれどね。

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