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プレゼンと表現

最近テレビをみていると、論理的に組み立てられたCMが流れてくる。テレビCMは広告の花形でお金もかかるから力が入っているものなのだけれど、なのにというべきか、だからというべきか、おもしろみのない論理的に紹介(つまり説明)されるだけのものが増えた。これは挑戦できない守りの姿勢の企画者やそれを選ぶ企業が増えたのだと思う。
CMプランナーは隙をつくる仕事だ。商品やサービスを紹介するだけじゃ見てもらえない。感じのいい言葉をならべても、だれも興味をもてない。サービス精神を持ってCMを見る人が入りこむ隙をつくる。クリエイティブジャンプと呼ばれるこの作業を放棄しているのではないか。もちろん論理的に組み立てることは必要なのだが、最後の最後で表現をジャンプさせることこそがCMプランナーの腕の見せどころになる。しかしクリエイティブジャンプした表現は説得がむずかしいという難点がある。おそらく、だからこそプレゼン資料のような論理的CMになっているのだと思う。決済者は説得できても生活者の心は動かせない。
ちがうようでつながっている話で、コストが安いことを「コスパがいい」という人が増えている気がする。クラウドソーシングの流行が後押ししているのだと思うが、利益を生みださない10万円のクリエイティブと300万の利益を生みだす100万円のクリエイティブ。コスパがいいのはもちろん後者なのだけれど、やはり安い方を選んでしまう。これも不景気のせいなのかもしれないけれど、結果的につまらない表現が増えていくのが切ない。予算を上げれば成果がでるわけではないけど、コストよりもパフォーマンスを重視してクリエイティブ制作者選びをしてほしいと切に願う。制作者、とくに企画者はちゃんと勉強してね。クリエイティブは芸術とはちがうから経験から導きだす論理的思考も必要です。

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