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環境を個別化できないか?

 集団が密集すると感染のリスクが高まる=クラスターという言葉が認知されてきた。

個別化は現在はメジャーではない。

 施設や病院では、個室は加算料金がかかる。日中活動場所に当たるデイサービスや精神科デイケア、就労継続支援B型や就労移行支援であっても、一般的には大きな部屋で過ごし、個室を設けている例は私自身聞いたことがないことだ。

利用者側のメリット

利用する側からすれば、個室は喜ばれる方が多いと思う。それだけプライバシーや個別性が高まるからだ。特に周りの視線や音に心を乱されやすい方は個室はありがたいことだ。

支援者側のメリット

 一方、支援者側からすれば、少ない支援スタッフで多くの利用者を見る場合、視界が広い部屋に利用者さんがいる方が対応しやすい。ある人への個別対応しながら、他の皆さんへの様子を把握できるのだ。訓練プログラムについても、グループで行えばそれだけ伝える手間は省ける。
 支援者として一番私が怖いのは、死角があること。見えないところで事故があったり、どなたかがプログラムに付いていけなかったり、状態が悪いことが見えないのは、気になることです。

支援の個別化、個室化はできないだろうか。

 私自身、今後は支援の個別化を図るべきと考える。
 例えば就労移行支援事業であれば、訓練自体がテレワークで、面談や集団プログラムの都度通所する、またはスタッフが訪問する、といった考え方があってもよいのではないだろうか。現在施設外支援(※後述)が規定されていることから、年間日数限度(現在は180日)を拡大する案があれば良いと思う。精神科デイケアやデイサービスについては、通所者個別対応する仕組みが良いかどうかが、微妙なところではある。

※施設外支援とは

 就労移行支援事業や就労継続支援A型・B型事業では、施設外支援が報酬の算定となる。施設外支援は、職場実習や求職活動、在宅就労など、事業所以外の場所での活動について、事業所の報酬の算定になる仕組みである。
 私自身が関わったのは、B型における会社内での作業、公園清掃、緑化事業、DMチラシ投函の作業について支援を行い、必要な文書の作成に携わった。個別記録とは別の書式を作り、施設外支援専用の支援計画や振り返りを行った。

知的障害、精神障害、発達障害支援における個別化=個室化メリット

 例えば大きな部屋を区切るためのパーテンションは、様々なところで使われている。長机であっても、小さなパーテンションを両側に置けば、個別化はしやすい。
 ただ、音については個室化以外ではイヤーマフや耳栓などのグッズはあるものの、見た目の問題や障害の理解の問題、グッズ自体の装着に対する違和感の問題など、まだまだ改善の余地はあるのではと思う。個室で過ごす選択肢を含めた、環境を利用者自身が選べることがこれからのニーズになっていくのではないだろうか。

環境を個別化できないか

 現在のようにIT技術が発達する前は、大人数で講義やイベントを行うことが普通だった。学校での朝礼や授業は良い例である。
 一方、現在は多様性が広く認知され、社会がその都度対応している。多様性に対応するということは、個別支援も増えていくのが必然であろう。
 
何より、それぞれの方にとって居心地良いものは何か、ということが大事ではないだろうか。

環境という大きな枠組みに個人が対応する流れが、

個人に対して環境が対応していく方に変化していく

ことを期待したい。


皆様にわかりやすく、また理解していただけるような内容を目指します。サポートして頂けると幸いです。