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運命の配属ガチャ!【第3話】

入社3日目、今日はいよいよ配属先が発表される。
この配属先が今後の人生を左右すると言っても過言ではないだろう。
昨日の反省を踏まえ、今日は遅刻する事なく20分前に研修会場に着いた。同期同士の喋り声があちらこちらから聞こえるが出遅れた無能には気軽に話せる人が居ない。まあもう慣れたもんだ。
8時45分、独特のチャイムと共に研修が始まる。
そして早速、配属先発表が始まった
人事部:「山田太郎!(仮)」
山田:「はい!」返事をして前へ行く。
人事部:「山田太郎を〇〇支店に配属する」配属先の書かれた紙をもらう。
1人ずつ順番に呼ばれ、無能の番が近づいてくる。
人事部:「無能無能!」
無能:「はい!」
人事部:「無能無能を〇〇支店に配属する」
ついに配属先が決まった。
とはいっても、まだこれが当たりなのかハズレなのかはまだよく分からない。
強いていうなら同期2人配属の支店もあったのだが無能は1人だったのでその点はハズレだろう。
配属先発表が終わり、一旦休憩に入った。
携帯で配属先までどのくらいかかるのか調べた。家から1時間くらいだ。金融機関は顧客の年収などセンシティブ情報を得る事になるので自宅周辺の店舗に配属されないので妥当な距離だろう。休憩が終わり研修が再開された。
人事部:「配属先が決まったので明日は午前中支店訪問に行ってきてください。その後研修を行いますのでよろしくお願いします。」
なるほど、明日の午前中はいわば楽してお金をもらえるボーナスタイムということだ。
その後は金融基礎用語研修をみっちり17時まで行った。
入社3日目にしてやっと何事もなく終える事ができて一安心だ。
まさか明日、とんでもない失態を起こすなどこの時は1ミリも思っていなかった。
-つづく-

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