子供の目の色は変えられる、武術に秘められる大きな可能性

コロナショックがまだまだ続いていますね。武術・格闘技の各道場とも感染対策のためコンタクト稽古に躊躇せざるをえなかったりオンライン指導を取り入れたり工夫はするものの、道場門下生の減少には象には悩まされていると思います。ネット環境に制約がある場合、活動停止している道場も散見されています。

コロナショック以前も各流派の各道場とも門下生の現象に悩んでいたと聞き及んでいます。

我が流派のうちの道場、地域に緊急事態宣言は出ていませんが、練習時間短縮、消毒マスクの徹底を図ったうえである程度通常通り運営していくことになりました。

練習参加については門下生個人や親御さんの判断に任せるという感じですが金曜の練習、目算で7割ぐらいの参加率でした。

ここから本題に入っていきます。

指導者としての私の得意技は、遊びながら問答無用で強くなるメニューを組んでやらせて子供たちの目の色を変えることです。

お陰様で、私が担当に入ると「先生あれやらせて」「先生腹殴らせて」という過去の練習内容を反復する要望が子供の口から出てきます。

特に、腹殴らせてという子供は体重差にすると重量級の自分の1/3に過ぎません。彼が覚えてる通りの殴り方をされると本当に内臓揺れます。(急所は殴らせません)

自分の信念としては進学しようが部活があろうが無理してでも練習に来たくなり、道場にずっと通いたいと思うようになってくれるためには来たら楽しみながらも上達していると実感する子が増えることが鉄則だと考えています。

通り一遍の悪いところを直すとか、ふざけてるのを注意するのに終始してしまうと、武術って痛いし難しいしで進学等で真っ先に彼らに切られる選択肢になってしまいます。

でも、指導内容が彼らにとって魅力的ならば長続きするメンバーが増えるはずです。彼らはいずれ道場幹部に成長します。

現役門下生にとって魅力的なら彼ら経由での新入門も期待できますし、入門したら楽しくて辞められないという人が増えれば道場人口は雪だるま式に増えるはずです。

あと、彼らに教えるべき使える体捌きや目使いは意外と簡単に習得させることが可能です。逆に小難しい理屈を沢山ねじ込む方が遠回りで効率悪いです。たったこれだけのことでこれだけの成功体験が積めた、その事実があれば深みに引き込まれること必至です。

あと、武術は実際問題超絶優秀なコミュニケーションツールです。

第1に、戦術の要諦は相手に自分の望むアクションをさせることです。

そのために練習パートナーとどうやったらそうなるかを徹底的に話し合うことです。

第2に、大人と子供がやり合って子供が勝つことは十分可能です。

この辺が親子コミュニケーション(遊び)のツボだったりします。

親子でやる練習はキャッチボールに近いですね。例えば、父親だったら子供にお腹を殴らせてもいいし、子供の手首を手繰って子供に転がされるのも一興です。

叩いてかぶってジャンケンポンを攻撃と受け反撃でやるのも楽しめます。くれぐれも大人→子供にグーパンチは避けて、おでこを軽く触るぐらいでパンチの対応練習としないと危険なので注意なさってください。

こうして親子や仲間と鍛錬すると、例えば父親に効く打撃を他にやるとまずいなとか物理的に大人に負けない自分が同世代の子供に手を出すとまずいだろうとかそういう自信に基づく道徳感覚も育つはずです。

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