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vol.4 言霊おばけ

穏やかでない話をします。

私には生まれつき、悪霊が取り憑いています。
いや、「モンスター」というべきか。
頭の中で生活していて、その名を「言霊おばけ」、
またの名を「ネガティブモンスター」と呼んでます。
私の頭の中の言葉を食べて生きていて、
そしてネガティブという名のウンチをして颯爽と帰っていく。そういうやつです。

半分、冗談で、(笑)半分、ガチです。
頭がおかしい訳ではありませんので💧
切り替えて、その先を読んでほしいです🙇‍♂️


高校生の頃、自分を変えたくて、軽音楽部に所属していた。
しかもバンドの花形であるボーカル担当。
人前で歌を歌うなんて勿論、当時は抵抗があったし、
人見知りの頂点であった時期。
しかし、その頃はある程度カラオケに毎週通い、
自分の歌に多少の自信を持っていて、
ステージに立つのが楽しい!の一歩手前まで来ていた。
今思えば圧倒的な成長だと思う。

そんな私が高校2年の夏、本格的なライブで初めて歌を歌う事になる。
学校の文化祭で、軽音楽部主催のライブ。
本格的な業者を入れて、どでかい舞台と、照明が当てられた。

本気のド緊張をしていた。
歌は練習に練習を重ねて、問題ないところまで来ていた。
しかしバンドのライブボーカルというのは歌と歌の合間に、メンバーの紹介とか、その場が盛り上がっているか確認したりとか、こちょこちょ喋る時間がある。そんなMCの時間に事件は起きた。


言葉が出てこない。
みんなの前で話す言葉は全部頭に入れて、
これを話そう、あれも話そう、淡々と喋って、場を盛り上げるイメージはかなりできていた筈だった。

その瞬間、そんな言葉の1つ1つが何者かに食い漁られている感覚が頭の中にあった。

その時が「言霊おばけ」を初めて認識した瞬間だった。

自分の中で、絶対に忘れてはいけない言葉とか、生きてる中で何度かあるはず。
大事なプレゼンとか、面白い話の最後のオチの台詞とか。
そんな言葉の数々を餌として食っているやつがいる。
用意していた"言葉"はたちまち食い散らかされて、頭は真っ白になる。

それらの経験は自分の自己肯定感を大幅に下げてくる。自信を失くし、たちまち悪い方へと自分の思考が向いてしまう。
頭の中にはネガティブという名のウンチが残る。
これが本当にタチが悪い。

あの時の文化祭のライブは最後まで舞台に立って、やり切ったが、あれほど自分が恥ずかしくなった瞬間はこの人生でもうないんじゃないかと思う。


そんなモンスターと、まともに戦おうとすると、本気のバチが当たる。
真っ白になった言葉を探して探して、辿っていくうちにその時間は沈黙の時間となり、結果、私はモンスターに敗北する。
真っ白になった時点でゲームオーバー。
自信を失くし、ネガティブの沼にハマってしまう。


私はモンスターとまともにやりあおうとするから良くないと思う。
こいつは頭の中のペットなんだからずっと付き合ってやらなきゃいけないのだが、いちいち構っていられない時間もある。
だから無視してやるんだ。
モンスターが私の言葉を食べようとも、食べようとも、また新しい言葉を生み出せばいい。
もう食べきれないほど。

最近はそうやって「言霊おばけ」をやり過ごすことにしている。
このペットとまともに向き合おうとするからダメなのだ。
大事なのは、この「言霊おばけ」と良好な関係を作ること。
言葉を食いたければ好きなだけ食えばいい。
私は新しいエサを次々と生み出して、食べきれないほどにしてやるんだ。
そういう意気込みでこいつを飼っていかなくちゃいけないのだ。

永久に。
ネガティブは自分の性格だから仕方ない。
だから墓場に入るときは一緒。その時はきっとマブダチみたいなお互い良好な関係性であってほしい!と思います。

(2020年4月15日に書いた日記を再編集しています。その先も話は続いていくと思います。
気長にお待ちを。🙇‍♂️)

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