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人に優しい会社で、お客様のために「できない」を言わない挑戦|ニッタ 山下幸志さん

奈良先端科学技術大学院大学(以下、奈良先端大)での実験、研究の経験が今の仕事にも役に立っていると話されていた山下さん。奈良先端大時代から現在も、常にチャレンジすることを大切にしている印象を受けました。アットホームな会社に入社できた経緯、お客様ファーストで仕事を進める理由など、詳しくお話を伺いました。

山下 幸志
奈良先端科学技術大学院大学では、マウスを使った肝臓の再生医療に関わる基礎研究に取り組む。博士前期課程修了後、ニッタ株式会社に入社。入社後は技術職として、粘着剤の開発を担当。現在はお客様に直接会ってニーズを反映しながら開発も行っている。

身近なところにあった、会社を知ったきっかけ

就職活動はM1の秋頃から始め、技術職、研究職になりたいという軸で、メーカー、製薬、食品、化粧品系の企業を中心に受けていました。そんな中、弊社に入社するきっかけは奈良先端大にある動物舎にありました。その場所は細菌、ウイルスが混入してはいけないので、マスクどころではなく、もっと除菌できるフィルターが設置していて、それが弊社で作っているものでした。色々と苦戦していた中で、研究室にカタログが置いてあり、身近なところで弊社の存在を知りました。そこで、技術系を募集していたので、受けてみたという流れです。入社して10数年経ちましたけど、本当にアットホーム、人に優しい会社で、雰囲気がとても良い会社です。それが面接の時からも分かりました。

入社後も変わらず、魅力的な会社

本当に人に優しいアットホーム会社で、それ以外にも、自分のやりたいことができる、風通しが良くて声を聞いてもらえます。会社に沿った方針の中であれば、自分の意見は割と通る風通しの良い会社です。世の中で言う大企業ではないので、コンパクトな分、繋がりは密で、プライベートでも同期や年齢が近い先輩や後輩の繋がりはあります。共同での開発まではないですが、例えば、測定機など、その部署にしかないものがあれば、借りやすいということはあります。

それから、基本的には奈良近辺で働けます。全国や世界各地への異動があるということはなく、大体同じ地域で働けるので、生活面での不安も少ないです。

やりたいことを極めるために技術開発を続ける

現在15年目ほどになりますが、幸い、ずっと技術職で続いています。今のやっていることを極めたい、そういう思いを聞いてもらってなのか、ずっと同じ部署に所属して、知識や様々な開発面でのキャリアを積み上げていますね。お客様に買っていただかないといけないので、最近は社内にいるばかりではなくて、お客様のところに行って、お客様が本当に欲しているもの、そういうニーズを聞いて製品開発に活かしています。

具体的な業務内容としては、粘着剤の開発を行っています。セロハンテープやガムテープのような粘着テープの高機能版。一般的な場所では販売していないので、目にされないと思いますが、テープの粘着剤の改良開発を行っています。

お客様の寄り添える面白さ

お客様のところへよく行きますので、「凄くくっつくものが良い」など、そういう声がたくさんもらえます。それに沿ったものを自分で開発、改良して、次回に提出して、「これ良かった」と言ってもらえる声を聞けた時は、とてもやりがいを感じます。基礎研究というよりは、お客様に極力寄り添って、反応を見て、身近なところで製品の開発をすることが面白いです。

お客様に満足してもらうためのチャレンジ

基本的には、お客様ファースト。顧客満足を満たす、満足させることを重要視していますね。中には無理難題を言われる時もありますが、言っていただいていることは有り難いことなので、頑張って動くようにしています。できないということを基本は言いません。無理そうだなと思いつつも、やっぱり一度は挑戦してみるようにはしています。チャレンジ精神、トライしてみる気持ちは大切にしています。

苦労を乗り越えるための恵まれた環境

お客様によっては、とても短い開発期間で、要望を満たすテープを持ってきてほしいと言ってきてもらうことがあるので、そういう時は苦労した、忙しかったという記憶はあります。ただ、そういう時でも、基本的に一人で仕事を進めるのではないため、上司にも恵まれていて、相談して協力していただいて取り組めます。凄く相談しやすい雰囲気はありますね。

どんな仕事にも必要な伝える力

プレゼン力、伝える力はもっと伸ばしたいです。それは何の時でも、理系、技術、営業、誰でも必要になると思います。技術でも、お客様のところに行かなくても、社内で報告書や論文、特許、何かをまとめて報告しないといけない時にも必要ですし、営業なら、お客様と話す機会も多いため、伝えやすさはもっと磨きたいと思います。

現役の奈良先端大生へのメッセージ

皆さん、たくさん研究されていて、そういう意味では、技術者に限らないですが、優秀な方々が多いと思っていますので、自信を持って、自分のやりたいことで、就職先を見つけていってもらいたいです。就職においては、こだわりすぎないことが大事です。入社すると、色々な仕事があるので、今取り組んでいる研究内容にこだわりすぎず、様々な視点を持って就活を進める方が良いと思います。大学から奈良先端大に移る時は研究内容が変わる人も多いですが、その辺りは柔軟に対応してきたはずですので。

あとは、何かリフレッシュする方法を持っておいた方が良いですね。研究ばかりに没頭すると、ストレスが溜まってしまうと思います。ゲームでもSNSでも、何かストレス発散方法を見つけることがオススメです。

奈良先端大を目指す学生へのメッセージ

最初は研究室を色々と選べると思うので、新しいことに挑戦してみたい学生の方にとっては、凄く良いです。やっぱり奈良先端大は研究のお金もあって、ハイレベルな研究をされている研究数が多いので、そこに身を投じてみることはとても良いです。就活も支援してくれるので、就職希望の方も活動しやすいと思います。

また、校内でバーベキューなど、頻繁に行っているイメージがありますね。多少騒いだりとか、煙たくても、何も言われないと思いますので、私の研究室であれば、秋はサンマを焼いていました。他に、テニスコートや運動施設もあり、スポーツ好きな人にとっても良いですね。

奈良先端大の研究生活で印象に残っていること

なかなかやっぱり結果が出ない中で、模索しながら、不安を感じながら、研究していました。研究室全体でも、やっていた方は多かったとは思います。また、研究室はとても雰囲気が良かったですし、全体的に奈良先端大は雰囲気が良いです。入学する学生も選びやすい、雰囲気で苦労する人は少ないと思います。

また、他に印象に残っていることしては、マラソン大会や池の周りでバーベキューしたこと。研究室の同期はとても仲が良かったので、つい先日も一緒に飲みましたし、今も連絡を取っています。また、今は奈良先端大の近くに住んでいて、いまだに月一回は大学の食堂に家族で食べに行っていますね。

奈良先端大で経験して、今も仕事で役に立っていること

とにかく実験していたので、諦めないで取り組む気持ちは、今でも持っていて、役立っていると思います。他に、研究の報告書を書く力、伝わりやすい書き方は、今も役に立っています。

※この記事に記載した内容は取材当時の情報になり、会社名や役職名等は現在と異なる場合があります。