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(第10話 -後編-) 落ち着けない夜 【サポーター目線】

こんにちは、「小瀧真理子(こたきまりこ)」といいます。洋服を作ったり、イラストやマンガを描いたり、レシピを作ったりしています。

今回の記事は、前回の続き、着替えに55分かかったストーリーの後編を書いていこうと思います。

↑こちらが前回の記事です。

落ち着けない夜(後編)

シャツが脱げて少し一休みしている根本さん。疲れた頭でヒートテックと点滴に視線を揺らすわたし。「どうやって…脱ぐんだ…………?」という疑問が浮かび、疲れにクラクラしていました。

考えるよりも先に「やってみなきゃ分からない、やってみよう!」ということで、時間も遅いし挑戦してみることに。

①右手を袖から外す→成功!

②袖をまくり上げてみる→ここまでは、いい感じ!

③針のついた手に服が当たりそうでこわい…→ヒートテックの袖が細すぎる…

④点滴のパックが通らない…→すごい時間をかけて、細い袖に通しました…

わたしの謎の正義感によって、この一連の着替えにかかった時間は実に55分。このあとは「着る」という行為が待っていたのですが着替えに持ってきていたヒートテックはもちろん着れず、右腕だけシャツに通して、「遠山の金さん」みたいにシャツを着て根本さんは眠ることになりました。(パジャマを借りるには時間が遅すぎました…)

そしてあっという間に23時。わたしは急いで帰ることに。

根本さんが【病室】という空間に泊まることになったことをまだ理解できず、すごい違和感を感じながら「明日の朝、また来るね、おやすみ!」と言い病院を後にしたのでした。

帰宅のわたしは目がランランとし、疲れが嘘のように吹っ飛んでいました。根本さんを思い出せば涙が出るのですが、ある闘志がメラメラと燃えはじめていたのです。

それは、「なぜ点滴をしていると服が脱げないし着られないのかを理解する必要がある!」と思ったからです。

会話の中で「俺は病人みたいなパジャマを着たくないな〜、あくまでも【普通】に過ごしたい。朝が来れば着替えたいし、夜が来れば着替えたい。病人に見える格好はしたくない」と言っていたからです。

「今まで着ていた服を着るためには、どうしたらいいんだ…?」

帰宅と同時に自宅にあるあらゆる生地をひっぱりだし、服の試作に取り掛かったのでした。模索と試行錯誤の中、2日目の朝を迎えます。

つづく…

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