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(第12話)チャンスはたったの3日間 【サポーター目線】

こんにちは、「小瀧真理子(こたきまりこ)」といいます。洋服を作ったり、イラストやマンガを描いたり、レシピを作ったりしています。

今回はちょっと踏み込んだ内容です。そこまで書くか〜と、根本さんの勇気に感服しています。すごいです。わたしも負けじとプライバシーを晒していきます!

上記の体験記をご覧いただいたあと、こちらの記事を読みすすめてもらえたらうれしいです。

チャンスはたったの3日間

体の外に【ぴょこん】と顔を出すカテーテルの端っこにビビる日々が始まりました。

ますます根本さんが病人っぽくされてしまった…とショックは大きく、「どうやって寝るの?右を下にして寝ちゃったらどうするの?管が皮膚に縫われてる…しかもここが感染症のウィークポイントになるんだ、、しっかり消毒してもらったりしなきゃ…(怖)点滴の針の痛さのほうがいいじゃん…」と、どんどん進んでいく治療のペースについていくことができず、心が置いてけぼりをくらってしました。

昨日からチョコを数粒食べただけで食事もしてなくて眠れていないのに、なぜか全然疲れないわたしですが、改造されてしまった根本さんのからだに合うような服を作らなきゃ…と、課題山積みの服の制作のことで頭がいっぱいでした。

面会の終了時間が来て、今日も遅くまで一緒に居たいな…と思っていたら看護師さんが来てくださって「そろそろ今日は…」と仰ったので帰宅することに。

帰宅して「根本さんがいない〜!」と号泣したあと落ち着いて、洗濯をしながらまたミシンの前に。試作をボディに着せていろんな角度から見ながら、新しいデザインを描いて描いて描きまくって…また朝を迎えました。

2017年5月11日(木)。入院3日目。

この日は精子の保存をすることになっていたので、面会時間を無視して9時に病室に到着しました。

精子保存とは、採取した精子を液体窒素に入れて凍らせて保存し、使いたい時に解凍する…という方法です。医療の進歩に心底感謝をしました。知らないことばかりで面喰らう毎日です。

しかし熱がおさまらずカテーテルを入れた胸が痛む根本さん。見るからにすごく弱っていて歩くこともできず…。車椅子に乗せてもらい1階のタクシー乗り場まで移動するのも精一杯なのに、1時間かけて新しい病院へ行って精子保存だなんて過酷すぎる…と思うのですが、与えられたチャンスは3日だけ。行くしかない…と腹を決め、二人でタクシーに乗り込みました。

チャンスはたったの3日間。

頑張れー!なんて言えない。。タクシーの外を流れる見慣れない景色を見ながら、ケセラセラと思うわたしがいました。

つづく...

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