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【挿絵あり】№11_召喚術の授業は××な魔物と、(月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生)の召喚契約BL

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。



そして僕の舌の上に不気味な液体を、ゆっくりと垂らした。

「!?」
これ、風邪シロップみたいな味で飲みやすい…

意外すぎる毒の味に驚く。
すぐに空になった小瓶は、再び魔物の内ポケットへと仕舞われていった。

「私はお前から力任せに魔力を奪うこともできる。
 だがそんなやり方では、お前の生命を脅かしかねない。
 面倒だがこうするしかない。
 魔力の搾取が済んだら、解毒してやろう。」

魔物の話の途中から、僕は身体が熱を持っていくことに気付いた。
(……ああ、)
いよいよ、毒が回ってきてしまったようだ。
あとはもう、なるべく苦しまずに終わることを祈るしかない。
 
 

最初は身体がフラフラするような、立ちくらみに似た症状に見舞われた。
それから徐々に、体に力が入らなくなっていった。
そんなぐでんぐでんになった体はベッドに逆戻りするかと思われたが、いつの間にか魔物の腕の中に収まっていた。

さわっ
「っ…!……ぁ……」
魔物の長い髪の一房が、首筋を掠めた。
その些細なはずの刺激に、声が漏れそうになる。

鋭敏になった感覚とは裏腹に、
意識は少し霞みがかったようにはっきりしない。
確かに先程魔物が言っていた通り苦痛を伴うような作用はなかった、が…

(あれ、なんか、ちょっとこれ…)
心臓がドクドクせわしなく動き、勝手に息が上がっていく。
そして下腹部へと、血液と熱が溜まっていく…

嫌なことに気づいてしまった僕に、魔物は追い打ちをかけてきた。
僕から魔力をじんわりと奪い始めたのだ。
いやこの際、魔力を取られるのはまだいいとしても。

(な、ななんでマウス、トウ、マウス っ!?)
魔物の少しひんやりとした、それでいて柔らかい唇が自分のものと重なっていた。
(た、確かに急性魔力欠乏症の人には、粘膜から魔力を流したりするらしいけど…)
ぼんやりとした頭に浮かんできた知識は、すぐに霧散していった。
触れ合った所から生まれる、自分の魔力が流れ出ていく感覚に呑み込まれたからだ。

でもそこに強引さはなかった。
それはまるで、手を引かれて誘われていくような心地だった。
(ぇ……?なんで、こんなに…気持ちいいんだ……?)

一粒の水滴。
それが壮麗な大河に合流できたら、こんな気持ちになるのかもしれない。
大きなものに身を委ねられる安心感。
このまま、自分がなくなってもいいから、その身の内に加えてほしい。
ひとつになってしまいたい……

これも毒薬の作用なのかと薄まった思考で考えていたが、そんな余裕があったのもここまでだった。



今回はここまでにします~
ではまた~ 

1話目はこちら



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