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【挿絵あり】№38_召喚術の授業は××な魔物と、 …過去を引きずる人に贈る、ヒーリングBL…

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。


 
”体験している”…?
一体どういう事なのか。首を傾げた僕に魔物は早速答えを教えてくれた。

「この亜空間はお前の魔力をもとにして作り上げた。この■■の■■■に■た魔力を用いてな。」
「!!!」
(そ、そうか、■■■■の■■分の魔力…!すっかり頭から抜けてた…)
えっと、■■■■時間×4×12×500×平均使用魔力量だから…
「…、……、…………、」

…もう、とにかく途方もない量だということだけは分かった。
頭を抱え出した僕を伺いながら、魔物は話を続けた。

 
「お前は、魔界が人間の死地となる原因を知っているか?」

(?…ぇ、えっと、確か……)
人間を死に追いやるのは魔界の魔力そのものではなく、その魔力に影響を受ける魔素が原因と考えられている。
教科書にそう書かれてあったはずだ。

「ああ、その通りだ。だからこの亜空間を構成する魔素は全て、お前たちの世界の物質に近い状態を保つように固定化している。」

亜空間内の魔素が魔界の魔力の影響を受けないように、受けたとしても人間に害を及ぼさない程度に。
そういう状態が保たれるようにしてあるそうだ。
しかも僕の魔力を使って作り上げられたこの亜空間は、人間の世界の魔力で満たされているらしい。

「そして、万全を期すために魔界の魔力も製作段階から一切遮断している。
 …この亜空間はお前が危惧している、人間の魔力を”魔界の魔力に同質化させずに保管する”という機能を備えているのだ。」

「…………」
この時点で僕はキャパオーバーになった。
なのに魔物は、さらに追い討ちをかけるような話までし始めるのだった。

「魔力が同質化する理由は知っているか?」
「っ?……え、えっと、魔界特有の魔力に影響されてではないのですか…?」
首を横に振った魔物は、その理由を解説してくれた。

曰く、魔力が同質化するのは安定を求める作用が働くからだそうだ。
もっと言うと、魔力はその場での多数派に同調したり同じ性質になりたがるらしい。
(なんか、人間と似てるんだな…)
そんなことを思いながら自分の理解が正しいかどうか、教えられた内容を整理して口に出してみる。

「…つまり魔力の同質化は魔界特有の現象ではなくて、魔界では単純に魔界由来の魔力の方が多いから、そっちに同質化すると…」
「そうだ。まあ、同質化の速度や影響度合いは魔界が群を抜いているだろうがな。」
そこで話はこの亜空間の事に引き戻された。 

「私の出入りの際には、この亜空間にも魔界の魔力が多少入ってきてしまう。
 だがここに満ちているのはお前の魔力だ。
 よってそれらは自動的に、ここでの多数派であるお前の魔力に同質化されていく。観測もしたので間違いない。
 流石に魔物に力を与える特性まで持つことはなかった、が…」
「……、……」

目の前の魔物ですら、魔界で人間が長期間留まり続けた記録や情報は見つけられなかったそうだ。

だから僕を迎える上で、考えられる対策を全て施すしかなかったらしい。
そう言って、先程から気まずげに目をそらしている魔物は説明を終えた。

(ということは………)
 
 

※作中の■■部分は、中略部のネタバレ防止のマスキングです!
(中略①)部分を読んだら、「ああ、あの事ね」となっていただけるでしょう…


今回はここまでにします~
ではまた~ 

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