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【挿絵あり】№36_召喚術の授業は××な魔物と、 …過去を引きずる人に贈る、ヒーリングBL…

【月下美人系魔物 VS 安全第一なぼっち学生】の召喚契約を巡る攻防を描く、割と現代的で現実的なファンタジー召喚BLです。


 
(ん?魔力が流れてく…?あれ?)

魔力の移動を感じた直後、水晶玉の感触が指先から消えてしまった。
 
目を瞑ったまま戸惑っていると、耳に触れられ「もういいぞ」と心地良い低音が聞こえてきた。
それに目を開くと、先程までそこにあったはずの水晶玉は魔物の手の上で粉々になっていた。

「え…?割れたんですか?」
「ああ。これでもダメだった…」
彼は少しがっかりしたように、破片を手から側のバケツの中に落とした。
その手には傷一つない。
割れた際に破片は飛ばなかったのだろうかと思ったが、玉に触れていた人差し指にも痛みはなかった。

どうやら魔術を使っていたらしく、破片は全て白い手の内に抑え込まれたらしい。
床にも飛び散った形跡はなかった。
「いきなり済まなかったな。どうしても事前情報無しでの反応を確認したかったのだ…」

聴覚まで遮断したのは破裂する可能性があったため、僕を驚かせないための配慮だったらしい。
(むしろ、いきなり耳を聞こえなくされる方が驚くんだけど…)
と思いながらも、一応お礼を言っておいた。
確かに自分は人よりビビりかもしれないので。

(にしても、事前情報無しで試したかったのはなぜだったんだ…?)
一体何の実験だったのか、魔物に尋ねた。

「ああ、これはお前から魔力を採取するために作っている器具だ。
 何も意識せずとも、魔力がこの器具内に誘導されるように加工している。」

触れると少量の魔力が自然に流れ、容量がいっぱいになったら自動的に採取が停止される、はずだったらしい。


実は温室での出来事の後、1日おきに行われていた魔力搾取はなぁなぁになっていた。
原因は僕の精神状態が不安定だったため、例の毒薬を飲ませることを魔物が憂慮したからだ。
そのため、魔力搾取はしばらく話題にさえ上げられなかった。

むしろ僕が、後でまとめてハードな回収が行われたら大変だと思って聞いたら、
「バカなこと言ってないで回復に専念しろ!」
と怒られたくらいだ。
まあ、僕自身もあの薬を何事もなく飲める自信はなかったので、助かっている。


「吸引力を最小限に抑えて作ったんだが…。やはり手動で調整しながらでなければ、難しいようだな…」
「手動?」
「ああ」
頷いた魔物は曇った水晶玉を掴み上げた。

「これには以前お前から搾取した魔力が入っている。
 搾取と同時に、私が量を調整しながら容器に入れていたものの一つだ。」
「え、そんなことしてたんですね…。全然気づきませんでした。」
「私には”見えない手”のようなものがあるからな。気づかないのも当然だ。」
フフンと少し誇らしげに言った魔物は、偉そうというよりなんだか可愛げがあった。

(あれ?でもなんで僕の魔力を、わざわざ容器に入れておくんだろう?)
力を得るためにだったら、容器になんて移さずにそのまま自分の身へ取り込んでしまえばいいと思う。

やはり多すぎると副作用があるからか?
それとも1日置きの搾取だったから、その休息日用とか後で取り込むため?
ああ、貯蔵用にという手もあるか。有事の際の兵糧兼強化薬のような感じで使うとか。
まあ、自称L様が魔界で無双するために使うくらいなら、目を瞑っても大丈…

(…いや…ちょっと待て……)
 
 


今回はここまでにします~
ではまた~ 

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