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振返り(リフレクション)は反省ではない

前回のブログで、優れた戦略の実行には人材育成が必要で、そのためにアクションラーニングが大事ですという記事を書きました。

今回はその中でもポイントになる振返り(リフレクション・内省)をもう少し深掘りします。参考にしたのは以下の本です。

リフレクションと反省の違いを理解する

研修にしても実務にしてもやりっぱなしでは何も成長しません。経験したことから学ぶことで初めて成長が実感できます。

リフレクションも反省も過去の経験を振返る行為ですが、目的が違います。

反省の場面を思いだすと、変えることができない「過去の間違い」を振返って言動を悔やんだり、沈んだ気持ちになったりします。または誰かに責任を追及されたり、評価を下されたりして残念な経験になっていないでしょうか。

リフレクションの目的は経験からの学びを未来に活かす」こととありました。
成功でも失敗でも経験したからこそ知っていることがあり、それを知恵に変えることができる。ということが前提としてあります。

何かに挑戦して失敗したときに、「できない」と思い込むのか「これからできるようになる」と未来に目を向けるのか、経験から得られる学びの質が変わります。

リフレクションの4つのレベル

なんかこう書いていると難しいなと思ってしまいます。
本を読んでみると、リフレクションには4つのレベルがあると書かれていました。

リフレクション・内省の技術より(一部編集)


LEVEL1結果のリフレクション
 出来事や結果についてのリフレクション
LEVEL2他責のリフレクション
 他者や環境についてのリフレクション
LEVEL3行動のリフレクション
 自分の行動についてのリフレクション
LEVEL4内面のリフレクション
 自分の内面のリフレクション

リフレクション・内省の技術より

確かにこれを読んだ時、普段なにげなく振返っているのはLEVEL2ではないかと思いました。
・〇〇をやるつもりだったけど、急な仕事が入って忙しくてできなかった。
・部下に時間をかけて教えたけど、ちっとも成長が見えない。

上手くいかない理由を他者に置いているのは、よくやることではないでしょうか。(自戒の念も含めて)

そもそも人を変えることはできませんので、変化を起こしたかったら自分が変わるしかありません。そうなると最低でもLEVEL3の「自分の行動」に焦点をあてないと成長することはできないのです。

目指すはLEVEL4

LEVEL3で自分の行動を振返って結果に結びつけることができれば、次にとる行動が見えてくるようになります。

ただ、これを繰り返しても課題解決につながらないことがあります。それは自分の行動の前提にある「こうすればうまくいくはず」という思考がブレーキになります。

これは50代社員のことをお伝えする時によく話していたのですが、過去の成功体験が無意識に「当たり前」として刷り込まれていることで他者とのズレが生じます。この当たり前はその人の当たり前であって、相手の当たり前ではないということです。50代社員の当たり前が若手社員に通用しないとはよくあることです。

なので、自分の行動を振返って次の行動をしても成果が出ない時は、行動の前提にある自分の内面に焦点を当てる必要があるということです。変化の激しい時代には前例をそのまま引きずるというのはリスクを伴います。

過去の成功体験は未来の成功を保証するものではない

この見出しの文章を読んだ時、正直グサッときました。自分も過去の成功体験にしがみついているのではないかと思いました。

LEVEL4の内面のリフレクションを行う最大のメリットは、「現在の課題を生み出している自分の思考に気づくこと」とありました。

これまでのやり方が通用しないとか、どうしていいかわからない時は内面のリフレクションを行う時です。

前回のブログで、アクションラーニング(特にラーニングの方)を行う時に外部の力を借りるメリットを書きました。
今回の「内面のリフレクション」を意識して、少しでも関わるお客様の成長につなげようと思いました。

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