ベナンのカリフォルニアに行ってきた話。
午前1時。ベナンの郊外。
街灯も少なく、人もまばらで、時間を間違えた鶏の鳴き声が響きわたっていた。
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「ナイトウ、今日の夜は空いているか?」
うちのベナンの会社のスタッフからそう聞かれ、本当はタスクがまだ残っていたけれど、華金だし、スタッフからの誘いはなるべく全部受けると決めているので、「もちろんだよ」と伝える。
午後23時。彼の運転する車の中。
「今日はちょっと特別な所に連れて行こうと思っているんだ。」
天然なキャラが売りな彼は、大抵このようにハードルを上げるとき、だいたいは拍子抜けするようなことが多い。「おぉ、それは楽しみだ」と、彼をがっかりさせないように、自分ができる最高の演技力を駆使して反応した。
彼の友人を途中で拾い、なんてことないオシャレなバーに到着。
ね。たしかにスゴく居心地がいいし、また来たくなるレベルのお店だけど、こういうのは何も言わずに連れてきたほうがテンションが上がるんだ。
ビールとテキーラのショットをひとしきり飲み、語り、さて行こうかってことで車に乗り込む。しばらくして車が止まった。まだ家ではない。
「さ。特別な場所についたぞ。」
驚いた。まさか天然の彼にこんな王道なサプライズをされるとは思わなかった。いや、おそらくこの流れが王道ってことすら彼は理解していない。まあいい、とにかく今日の彼のサプライズ演出は大成功だ。
午前1時。ひと気が少ない通りに、ポツンと二階建ての小汚い建物があった。看板らしきものがあるけど、暗いのと汚れているのとであまり見えない。
『カリフォルニア』と書かれていた。
思い出した。数ヶ月前に彼と飲んだときに、「ベナンにはカリフォルニアって最高のお店があるんだよ。行きたいか?」と言われ、その週にタクシーで向かったものの、なんと閉店しており、大ショックのまま帰宅をした、あのカリフォルニアだ。
「実はもう一軒あるんだよ。」
なぜあの日に行かなかったのかは別として、すっかり忘れていたベナンのカリフォルニアに、数ヶ月越しに初上陸を果たした。
ベナン人のゴツいボディーガードにボディチェック。スマホは持ち込んでもいいが、写真はゼッタイ撮るな、と言われる。地下に続く階段を降り、分厚いドアを開けると、クラブよりは少し小音なダンスミュージックが鳴り響いていた。中はかなり暗い。壁に向かってソファ席が並んでいる。かすかに人が座っているのが見える。
座って待っていると女性店員がやってきた。「なにが飲みたい?」例によってメニューは持ってこないが、ベナンでは当たり前だ。さきほどの店で結構飲んだので、ひとまずコーラを頼んだ。そこで気がついた。
店員が全員セクシーな下着姿である
なるほど。ベナンのカリフォルニアとはそういうお店なのだ。ぼくもカリフォルニアには行ったことがないが、おそらくオーナーも行ったことがなく、なんとなくセクシーなお店のイメージ=アメリカ=カリフォルニアという安易な発想で決めたに違いない。
ニヤニヤする天然スタッフがぼくに尋ねる。
「女の子に飲み物を奢ってあげたら踊ってくれるよ。」
ほう。よく見ると奥の方にステージがあり、そこにはポールダンス用の棒が見えた。ポールダンスを見るのは結構好きだ。しかもリズム感も運動神経もバツグンなベナン人が踊るポールダンスは興味がある。
「それは見てみたい。いくら払えばみせてくれるの?」
「そうだな、たしか2000セファあれば十分だったと思う。」
2000セファは日本円にして400円である。安すぎる。迷う暇なく、下着のお姉さんにお支払いをした。別な下着のお姉さんが、すぐにコーラを持ってきてくれた。そしてそのまま、ぼくの上に乗ってきた。
「え?なになに?」
「エンジョイユアダンスタイム」
と、天然スタッフがウインクとGoodポーズを送ってきた。どうやら400円のダンスはポールダンスではなく、セクシーダンスだったようである。これも経験だ。とにかくされるがままに、彼女に身を委ねた。
ここからは卑猥な表現が増えますので、有料ゾーンとなります。
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