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【読書録】名探偵じゃなくても 小西マサテル

 あらすじ

クリスマス直前、居酒屋で〝サンタクロース消失事件〟について議論していた楓たちは、紳士然とした男性・我妻に声をかけられた。
彼は、かつて小学校の校長を務めていた楓の祖父の教え子なのだという――。
〝連続自殺未遂事件〟や〝泣いている死体〟など、楓や我妻が持ち込む不可解な謎を、レビー小体型認知症の祖父が名探偵のごとく解決する。
しかし、その症状は一進一退を繰り返しており……。

感想

 前作に引き続き、心温まるミステリでした。今回は前回にも増して、古典ミステリが多く作中に登場しました。ほとんど未読の作品だったので、今年はたくさん古典、海外ミステリを読もうと思います!!
 認知症が進行し、祖父とちゃんと会話ができる時間が減っていく切なさと、推理しているときのかっこよさのコントラストが前作よりも際立っていました。私はすでに祖父母を皆亡くしているので、思い出しながら読みました。何気ないシーンでフラッシュバックのように、あんなことがあったなあと、少しジーンときました。
 香苗と窓ふき先生のようにもう祖父母と話すことはできませんが、本作を通じて久しぶりに会ったような気分になれました。新しい体験でなく、こういった感覚になれるのも読書の醍醐味だなと感じました。
 今回はこの辺で終わろうと思います最後までお読みくださりありがとうございました。


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