【読書録】浮雲心霊奇譚 白蛇の理 神永学
あらすじ
陰陽師 新選組 憑きもの落とし
沖田、敗北──!?
雨宿りに立ち寄った寺で白い蛇に遭遇した八十八。不意に現れた美女に人捜しを懇願され……(「白蛇の理」)。猫又を見たという男が遺体で発見された。猫又退治を依頼された"憑きもの落とし"の浮雲は、妖怪は専門外と言いながらも力を貸すことに……(「猫又の理」)など、全3編を収録。赤い瞳で死者の霊を見る浮雲が、絵師を目指す青年・八十八と共に幕末の怪異を斬る! 謎解き時代小説!
感想
本作は浮雲心霊奇譚シリーズの4作目になります。しばらくこのシリーズを読めていなかったので、気づいたら冊数が倍くらいになっていました、、、
本作に限らず、このシリーズを読んでいるときはどうしても八雲シリーズと比較しながら読んでしまいます。特に八雲と恐らくその先祖である浮雲は性格の似ているところと正反対のところがあります。他人との接し方はそっくりですが、八雲と違い浮雲は酒と女にだらしないです。ただそれゆえに八雲よりも顔が広く、自分のコミュニティを持っている感じがあります。
また、このシリーズは特殊設定×時代劇ミステリという他にはないジャンルも魅力の一つだと思います。江戸時代が舞台なので、幽霊や妖怪などミステリでは使いにくい要素が自然になります。しかしながら、真相は人間の思い込みや暗示によるものなので、ミステリとして成立しています。加えて謎を解くための情報のほとんどが人からの証言なるため、読んでいる間の謎解きは中々難しいです。
本作は動物にまつわる話が3作収録されている短編集です。どの作品も神永先生らしいテンポのいい文章で、あっという間に読み終えてしまいました!この調子で最新作まで読み進めたいと思います!!
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