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【読書録】十戒 夕木春央

あらすじ

 浪人中の里英は、父と共に、伯父が所有していた枝内島を訪れた。
島内にリゾート施設を開業するため集まった9人の関係者たち。
島の視察を終えた翌朝、不動産会社の社員が殺され、そして、十の戒律が書かれた紙片が落ちていた。
“この島にいる間、殺人犯が誰か知ろうとしてはならない。守られなかった場合、島内の爆弾の起爆装置が作動し、全員の命が失われる”。
犯人が下す神罰を恐れながら、「十戒」に従う3日間が始まったーー。

週刊文春ミステリーベスト10(「週刊文春」2022年12月8日号)国内部門&MRC大賞2022など4冠に輝き、ミステリ界を震撼させた『方舟』夕木春央、待望の最新作!

感想

 やっとこの話題作を読むことができました!最近海外ものかつ、ページ数の多い作品を読んでいたので、かなりサクサク読み進められました。

 あらすじにある通り、本作は去年Twitter(現X)の読書垢さんたちの間で、バズりまくった「方舟」の著者の新作となります。方舟同様クローズドサークルミステリです。本作の最も特徴的な点としてはずばり「推理」が進まないミステリであるということです。「十戒」の書置きのせいで登場人物たちが誰が犯人なのか明確に言及することができません。しかし、そんな中でも犯人は残酷に状況を進めてきます。不安なシチュエーションで行動のみならず、思考まで制限されるというまさに八方塞がりな感じがとても印象的でした。

 「殺人犯が誰か知ろうとしてはならない」というミステリにあるまじき設定の中でここまで面白くなるのかと感心させられました。読者である自分は推理することを制限されていないから、絶対に当ててやる!と意気込みながら読んだのですが、主人公視点で話が進むため、絶妙に情報が入ってこず無理でした。。。これ事前情報なしで犯人とその動機、手口を当てられる人いるんですかね!?

 今回も方舟同様ネタバレ厳禁な内容のため、詳しくは言えませんが、ラストスパートがとてつもない作品です!!途中でもし挫折しそうになってもあきらめずに最後まで読むことをすよくオススメします!



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