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【妄想が9割】仏が教える 怒りを手放す生き方

今回の教養は下記の書籍を参考に執筆しています。

アルボムッレ・スマナサーラ「執着しないこと」(中経出版、2014)

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著者のアルボムッレ・スマナサーラ氏はテーラワーダ仏教(上座仏教)長老であり、著書80冊以上の著述家でもあります。スリランカ出身で13歳のときに出家し、現在は日本テーラワーダ仏教協会で初期仏教伝道とヴィパッサナー瞑想の指導に従事しています。

考え過ぎてエネルギーを消耗する現代人

収束の兆しが見えない感染拡大、世界に影響を与え続ける戦争、不安定な為替相場…。

変化が激しい現代においては多くの人が悩み、不安を抱え、考えています。

しかし、私たちは考えれば考えるほど不安が強まり、自信を失い、エネルギーを浪費していくのです。

しかし、私たちは「考え過ぎること」に注意しなければなりません。

考え過ぎることによってエネルギーを消耗する理由は、「私」という主観によるものです。私たちはなにかを考える際に他者の立場に立つことを忘れ、「私」という立場だけで世界をみて、判断してしまうのです。

このようにして考えることで、私たちは少しずつ現実や事実が見えなくなり、「妄想」の世界に入っていきます。

主観によって判断を見誤る

例えば、あなたが誰かと話している際に、相手の発言に対してイラッとしたとしましょう。あなたは「この人は私をバカにしているのか?」「この人は人を見下している」と感じました。

しかしそう思ったとしても、それはあくまでもあなたの主観でしかありません。相手に確認したわけではなく、勝手に自分がそう思い込んだだけなのです。

つまり、あなたは勝手に「妄想」をして、その妄想によってイライラしてしまっているわけです。

妄想を止めるには?

こうした妄想を止めるにはどうすればいいでしょうか?

それは「私の立場」である主観を手放して、客観的・理性的に物事を捉えて判断する能力を身につけることです。つまり、「なにかを判断するときに主観を差し込まない」ということです。

私たちは得た情報を「主観」で解釈している

私たちは、

の6つの器官を通して情報を集めています。
眼で見て、耳で聞き、鼻で嗅ぎ、舌で味わい、身で触り、意識で感じることを、仏教用語で「六識(ろくしき)」といいます。

ここで問題となるのは、私たちは六識で得た情報を、そのまま受け取っていないということ。

つまり、得た情報を「主観」というフィルターを通すことによって、

  • 「この情報はいいものだ」

  • 「この情報は悪いものだ」

といったように、何らかの解釈を行っているのです。

「いい情報」も「悪い情報」も存在しない

しかし、私たちが得た情報には「いい情報」も「悪い情報」も存在しません

例えば、あなたが相手の発言にイラッとした場合でも、本来はその言葉にあなたを怒らせる力はないのです。なぜなら、その言葉は単なる「音」にすぎないためです。

ではなぜ、イラッとしてしまうのでしょうか?

それは、あなたが「主観」を通してイラッとするような解釈をしてしまったからです。

したがって、主観を通さず、解釈もしなければイラッとすることはありません。

解釈を止めればイラッとしない

イラッとしないためには、「ただの音」でしかない言葉に対して解釈することを止めることが重要です。

しかし、どのようにすれば得た情報を解釈せずに受け取ることができるのでしょうか?

その方法は、得た情報に対し、自分が「主観フィルター」を通して解釈をしそうになったら、その時の気持ちや感情を実況中継することです。

例えば、相手の発言にイラッとしたらすぐに「いまイライラしている」と心のなかで実況中継しましょう。

こうすることで主観を通した解釈が止まり、これによって生じていた妄想も止まります。この結果、「心は無色透明のきれいな状態になる」とスマナサーラ氏は表現しています。

そして、これにより「智慧」が現れるのです。

智慧とは、今目の前で起こっている現実に対して、するべきことが瞬時にわかることを指しています。

状況に対する最適解が瞬時に導き出せることが「智慧」なのです。

イライラの原因は寝不足かも

仏流の方法ではしっくりこないという方もいるかと思います。

そのような方は、ただ単に寝不足が原因でイラリアしている可能性があります。

以前、寝不足になることで人がイライラしやすくなる理由を解説しましたが、当てはまると感じる場合はぜひ睡眠不足を解消してみましょう。

「睡眠不足くらいどうってことない」

と考えている方はぜひ、サーッと目を通すだけで良いので「52記事まとめ】睡眠マガジンのおすすめ記事と結論まとめ」をご覧ください。

睡眠不足による悪影響はあなたの想像以上に深刻なため、マジでちゃんと寝ましょう。


メンタルの教養」では、下記のような教養がよく見られています。

また、「禅・仏教の教養」では下記のような教養がよく見られています。


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