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【仏教】「空」の意味を正しく認識してほしい

くう」=「縁起」
以上が結論です。

仏教の「くう」や般若心経を語るなら、これを理解してから語ってほしい。

南伝上座仏教系を学んでいる人で「くう」を敵視している人がいるならば、それは勉強不足です。


仏教の思想史を確認する

「空」を理解するためには、最初に思想史を把握する必要があります。

STEP-1 お釈迦さまは縁起論を説く

お釈迦様は教えとして「縁起論」を説きました。
この世の法則は縁起の法則で動いている、というものです。

・誤:「有(アートマン思想)」
・誤:「無(虚無思想)」
・正:「縁起」

「縁起」の内容は、このnoteでは取り上げません。

STEP-2 初期大乗が変なことを言い始めた

現在では初期大乗というグループに入る学僧たちが「縁起」を忘れてしまったのか、お釈迦様が完全否定したアートマン思想のような論を主張し始めました。

・正と主張:「有(アートマン思想)」
・忘却の彼方:「縁起」

STEP-3 龍樹が「空」を説く

おかしな方向に進み始めた当時の仏教にSTOPをかけたのが龍樹(ナーガールジュナ)です。

・「有」でも「無」でもない!
・「空」だろ!

当時、「縁起」という言葉が陳腐化して使えなかったのか、言葉そのものが忘れられてしまったのか、そこまではわからないけれど「縁起」を「空」という言葉で龍樹が説明しました。

「空」は「縁起」の言い換え
「空」=「縁起」
です。

北伝(日本、中国)、東伝(チベット、ブータン)の仏教は、龍樹が守った「縁起」=「空」の思想の上にあります。

STEP-4 現在:経緯を知らないから理解不能に陥る

「縁起」を「空」という単語で言い換えて説明するに至るまでの経緯を理解すれば、阿含経の縁起論にさかのぼって本質を理解すれば解決です。

ところが、この経緯を理解しないで、阿含経を見ずに、大乗仏教の教義だけを見て「空」を理解しようとするから「空」が意味不明になる。
ふわっとしていて、わかるようで、わからない。

「空」をググって理解したつもりになっている人、その参照先に、思想展開の経緯、歴史が書いてありますか?
もし書いてないならば、その人も「空」を理解してないかもしれない。

南伝仏教だけを学んで「空」を敵視している人、さらに学びを深めましょう。「空」=「縁起」だと理解すれば、よくぞ龍樹(ナーガルジュナ)は仏教が誤った方向に進むのを阻止してくれた!という感謝の気持ちすら湧いてくるはずです。

「空」を否定している宗派の人、それ仏教ではないです。

STEP-5 「空」=「縁起」を基準に考えられるようになろう!

「空」=「縁起」を理解して
縁起論の内容も理解する。

例えば、自分の意志とは関係なく強制的に他責の不幸な出来事に巻き込まれること、これも縁起の法則の中にある出来事です。

そうすると下記のような人たちの主張では、「縁起」「空」の法則によって発生する自分の意思とは関係なく強制的に巻き込まれる他責の事件の解決は全くできないと理解できます。ぶっちゃけ何の役にも立ちません。

【ダメな仏教理解の典型例】
・自分の心理状態を解決することが仏教だと言っている人
・呼吸を意識した瞑想が仏陀の修行法だと言っている人

そして次のSTEPとして、ならば具体的に、どのような手段を講じればよいのか?を考えるようになります。
この先は、ボクの他のnoteを探してみてください。

異論反論がある人への宿題

反論を考える暇があるならば、そこに時間を費やすのではなくて、下記の問題が発生する原因と、そもそもこの問題を発生させないようにするための具体的な解決手段を「縁起」「空」の観点で提示してみてください。
理想論ではなく、具体的な手段の提示を求めています。
可能ならば、なぜ救えるのかというメカニズムの説明もしてほしい。

この問題を解決することが仏教の実践です。

あなたが知っている仏教の「空」で解決できそうですか?
「絶対にできません」という回答でも良いでしょう。
ちなみに基本的な教義教学を理解している阿含宗会員信徒ならば、「空」「縁起」という単語は出てこないかもしれないけれど、回答できる内容です。

事例:自動車が突っ込んできて死にました

交通法規上全く問題が無い場所で信号待ちをしていました。
そこへ他者が運転する自動車が突っ込んできて、自分は即死しました。
自分は自動車事故で死ぬために、そこに立っていたわけではありません。
完全に自分の意志とは関係ない事故に巻き込まれて死にました。
これは仏教で言うところの「苦」そのものだと思います。

あと数分時間が異なれば、あるいはあと数十センチ立ち位置が異なっていれば死ななくて済みました。なのに、どうして自分は、その日、その時、その瞬間に、そこにいたのでしょうか?
同様に、その自動車は、どうして、その日、その時、その瞬間に、その場所に居合わせて、そして運転を誤って、その行き先が自分に向かったのでしょうか?
そもそも、どうすれば、この事故を未然に防ぐことができたのでしょうか?

過去のnoteなど

がっつり書籍を読んでみたい

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阿含経?

阿含経?という方は、こちらへ。
先入観を持たずに、まずは素直にリンク先の動画の内容に耳を傾けてください。

縁起を変えることの実例


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