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バッタを倒しにアフリカへ

 とても目立つ本を見つけた。新書棚はどの本もおんなじような見た目なのに真緑。真緑なのは著者らしい。漫画にもこんなのはない。これは読むしかないと思い手に取った。読んでみると著者のバッタへの愛が溢れている本だった。

 全身タイツ緑マンなのは著者の前野ウルド浩太郎博士。まず、名前肩書きからして情報量が多い。「ウルド」ってなんだ?しかも博士って?彼はれっきとした「バッタ」を専門とした博士号を持つ博士だった。しかし、バッタだからといって全身緑なのは何故なのか?その答えは全てこの本の中にあった。

 著者のバッタへの愛、アフリカへの愛が、軽快なエピソードと巧妙な語り口で語られて、あっという間に読み終わってしまった。圧倒的なアフリカ生活の衝撃は半端ではなかった。

 一方で博士の就職活動日誌出来な側面もあり、アカデミアの世界の厳しさもふつふつと感じさせられた。こんなに情熱に溢れて、こんなに人に伝えるのが上手な人なのにポテンシャルだけでは厳しく、結果が求められる世界だということがよくわかる。それは博士を求める枠がとても少ないことが大きな原因になっているのだろうか?ポスドク問題は本当に深刻なんだと思う。周りに研究者志望の友人がいるのでなんとなく走っているつもりであったがそんなもんではなかった。

 最近の研究論文を探した。

本で取り上げられていた研究の続きだと思われる。本では採用されてハッピーエンドで終わったがまだまだ研究は終わらないようだ。職場も変わっている、けれど研究の成果が世の中に出て行って、認められて行っているようで本当によかったと思った。このバッタ防除センター前所長って・・・

 こっちはバッタについて前野さんが説明しているページ




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