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ソフィーはなぜオーストラリアに来たのだろう。


今僕の働いている職場には、ソフィーという女性がいた。歳は2つ上の28歳。彼女の出身はイギリス・バーミンガムの田舎だ。彼女も同じくワーキングホリデーの制度を使ってオーストラリアに滞在し、つい先日ビザの有効期限が切れるため帰国した。



彼女と話している中で、ふと思ったことがある。
なぜ彼女はオーストラリアに来たのだろう。

日本人は特に、英語の文化に触れてこなかったからこそ、この英語圏の国に憧れを持つ人も多い。でもソフィーはそもそも母国語が英語だし、むしろ言語が違う国の方が面白いんじゃないか、なんてことを思っていた。

そんな意味合いも込めて彼女に訊いたら、意外な返答が返ってきた。

「私は帰ったら救命救急士として働くんだ。この場所で色んな文化・バックグランドの人と話すことが仕事に繋がると思って、ここに来たよ。」

正直最初は理解できなかった。それはおそらく、自分の中でワーホリに来る人は「英語の文化を学びたい」と思っているという思い込みがあったからだと思う。
後から調べて知ったのだが、そもそも救命救急士という単語も聞いたことがなかった。

僕自身も、このワーキングホリデーにおいて英語を最も重視しているわけでではないと思っていた。しかし心のどこかで、英語を学ぶことが大きなものとなっていた。ワーホリ生活の中でそれが大きなパイを占めていた。


その思い込みが、ハッとさせた。
そうか、彼女は英語を学びに来ているわけじゃない。考えてみれば当然だ。
元々英語を第一言語として話している彼女らにとって、さらに学ぼうとしに英語圏に行くことは少し変な話だろう。もちろん国も違うので多少話す英語も違うが。

だから大切なのは、言語ではなく、人だ。英語なんてどこでも学べる。でもそこで出会う人はそこでしか出会えない。


ソフィーの帰国で、そんなことを思った。


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