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幸せの霊獣麒麟舞う 因幡夏参りその1  ィイ・ヤシロ・チ vol.71

暑すぎる2024年の夏、人混みとハードさを避ける参拝先は何処かしら?と考えた。すると、まだお参りしていない一の宮の宇倍神社が浮かんだ。ちょうど新札が発行されたタイミングで、「お金の神様」とも言われる、伍円紙幣に描かれた神社を訪れるのも面白い。

神戸から高速バスで鳥取駅に向かえば、余裕で日帰り参拝旅ができる。旅友二人に「猛暑でもダメージ少ない参拝しない?」と声かけすると、二つ返事でオッケーをもらえた。

首尾よく鳥取駅に着いた一行は、まずは駅ビルで土産物候補のチェックをしてから日本海の魚介ランチで腹ごしらえ。鳥取名物と新鮮な魚介類を堪能した。

ここから、タクシーで神社へGO!がわたくしのゆる参拝計画。修行系ではないラクチン参拝を心からご所望の道連れさんたちのご希望に合わせ、時間も余裕の配分で、あと一つ近場の神社と駅近の民藝美術館を加え、お茶タイムもたっぷりと取る予定。

当日は、やはりなカラカラ炎天下、なるべく心身のダメージ少なく御神気を浴びようという目論見に、早くも「大正解だよ」の心の声が胸に響く。

駅ナカでの旅の準備も万端に、客待ちのタクシーさんにアプローチ。今日はどんなドライバーさんに出会えるか?と、この瞬間が旅一番のドキドキタイムかもしれない。

わたくしたちはタクシー乗り場の最前列の車両に近づき、希望のルートを告げようと窓から覗くと、そこには素敵なお姉さんドライバーさんがいらっしゃった。女性のドライバーは優しい気遣いをしてくださる方が多くて、ほっと安心。これで快適な参拝旅が可能となった。ありがたや!

リラックスな会話を楽しみながら、スムーズに神社に到着。三人はうきうきと気分も盛り上がる。

本来は石段を登っての参拝だけれど、「ギリギリ近くまで車を寄せますね」との嬉しい心遣い。同行の友人は階段が苦手で、しかも気温はグングンと上がっているので、助かることこの上なし🙏

御由緒書にある石段の先の拝殿

社務所横の車止めまで運んでもらい、「良かったね~」と素直に喜んで境内にいそいそと足を踏み入れる参拝トリオ。

其処には、さすが一の宮と言える、風格ある宇倍神社の社殿が在った。

酷暑のため、参拝者は殆どいない

それでも、本来ならばくぐるべき標柱までは戻ろうと、石段に向かって振り返れば、午過ぎの空には、光の花が満開に咲いていた。

灼熱の青空にウエルカムのお花

少しはあの石段を登るのもよろしいでしょう、と歩みを進めると、思いがけず、雄大な幟が視界に飛び込んできた。伸びやかな文字も颯爽と、昇り龍もたいそう縁起良く生き生きと天を目指している。まさに、辰年参拝の幸せな御縁を感じた。

今年の干支の龍が描かれた必昇幟がかっこいい

そうして改めて、手水舎で清めてから、拝殿に向かう。

しめ縄が独特ね、と注目した手水舎

拝殿前には二本の生き木の御門?と素敵な御神門。しめ飾りと呼ぶのがふさわしいようなしめ縄が掲げられている。

神紋は珍しいくずし亀と

神門をくぐって振り返ると、改めてその造りの巧みさに、感嘆させられた。

拝殿前には格式高い飾りが施された茅葺の御神門

そうして拝殿前に立って、ご挨拶の拝礼を行う。

大樹の扁額?素敵です

風格と落ち着きを漂わせる清冽な社に、一時暑さを忘れてうっとりと佇んだ。

向かって右に鳳凰
左に亀

ゆっくりとお参りした後に、ふと視線を社殿背後の山に向けると、石柱で囲われた小高い場所が在る。「あー、来いって喚ばれているね」と進んでいく。境内には誰もいない、カンカン照りの晩夏。目指す場所亀金岡は緑陰に抱かれて此方を見下ろしていると感じた。

ググってみれば、不思議な伝承の場所であるけれど、元々は大事な磐座なのだろうな、と想像する。たどり着くまでの石段を慎重に登りながら、大雨が降っていたら、此処には絶対上がれない、晴天で有難いと感謝した。

こういう時は、すっかりと暑さを感じるセンサーがオフになるトリオおみなたち。(笑)しかし、感じたその勘はどうやら当たったようで、登り切ったその場所は、まごうことなき素晴らしいイヤシロチだった。

見上げると曼荼羅の光線降り注ぎ
磐座に降臨
磐座に光が当たっていた

あまりの心地よさにいつまでも此処にいたいと願ってしまう。体中の細胞がすっきりと調っていく感覚は、日ごろの肉体の厄介さをどこかに消し去ったようだった。とんでもない長命だった武内宿祢にあやかってなのかわからないけれど、生命エネルギーの賦活を確かに実感。ほかの二人も上機嫌でいいねーと口々にその御神気パワーを満喫していた。

すっかりと満足した三人は、また足元に厳重注意しながら、本殿の周りをぐるりと回って社務所に向かった。

流石な一宮の本殿。堂々とした風格
本殿の背後もやはりパワフル

御神気チャージも満タンとなって、わたくしたちはそれぞれ社務所で参拝記念の品々を手にした。わたくしは、此方の麒麟獅子のお守りを授けていただいた。平和や幸せをもたらすという霊獣、麒麟。その霊獣が舞い踊る宇部神社。世界も日本も、国内外ともに落ち着かないこの頃、どうぞ平和と幸福をと願わずにはいられない。

かつての鳥取城主も平和をつよく願い、麒麟の獅子舞を広めていたのだろう。その心が時間を越えて広く遠く響きを伝えていくように、わたくしも共に祈るのだ。

この後、帰路に就くまでまだまだ時間があるので、ドライバーお姉さまにお願いして鳥取駅近くの神社に運んでもらう一行。その2に続く。

酷暑に涼香放つバジル 芳しい翠葉

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。



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