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オルトレキシア からだ♡ダカラ⑪

還暦が射程距離に入ってきつつあるなか、まだ多少の猶予はあるものの、生まれ直すらしいその時に向けて、イロイロと情報収集する機会を狙うわたくし。

そのためには、なかよしのお姉さま方との四方山話からリサーチするのが一番。すると、人それぞれの年女5回目についてのアレコレが知れてくる。やはり実体験のお話ほど有益かつ為になるものはない!!!のだ。

先輩方の体験や思うところは、自分にもやがてやってくると考えてよいだろう。残念なことに、わたくしは不意打ちにかなり弱く、心身共に酷く動揺し、ダメージを受けやすい。応用力はソコソコある方だから、予習し心づもりをする(つまりシミュレート)ことで、安定した対応体制を図るのが、わたくしなりの処世術なのだ。以前占い?で「身体はじっとしていても、忙しい人」と指摘されたことがあるが、それはわたくしのこの「前もって傾向」を具体的に言い当てていると、舌を巻いたことだ。

先見の明と、取り越し苦労は表裏一体。それは承知の上で、これまで「コトが起こったとき」には、そう来たか!と割と冷静に臨機応変に事態をどうにか乗り越えてこられた。ペシミストではないけれど、気なることには先手を打たないと落ち着かない質なのだ。無防備な出たとこ勝負に挑めないヘタレなわたくしは、徒手空拳でもコトに臨める勇気と胆力のある人が羨ましい。が、自分にないものはあっさり諦めて、できうる限りご機嫌な心理状態に自らを保つことに注力したいと願うのだ。

そのようなスタンスにピッタリな、アラ還向けな「ほどよい居場所のつくり方」なる一冊を、図書館で発見。先輩の貴重で優しいアドバイスが満載でナルホド、と思うところがいくつもある還暦予習に最適な良書である。

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=21242

この中で特に印象に残った、わたくしが新しく出会ったワードは、「オルトレキシア」。わたくしに、健やかな食とは何かを再考する機会を与えてくれた。

実際、自分のなかにも幾分似たような要素が見いだせる。健康は、食べ物の選択に直結しているが、摂食障害にまでこだわりが及んでしまうとはトンデモナイ落とし穴!楽しみ溢れる食べ事が「ちっとも楽しくない事態」に陥らぬように、とまた先読みセンサーがビリリと反応。 

↑の記事を読むと、オルトレキシアの概要が理解できた。健康を目指して不健康に至るのは、あまりにも不本意過ぎる。食にまつわる不都合なことをアレコレ知り過ぎて、食べる楽しみを失くすのは辛い。それで病んでしまっては元も子もない。(が実際日本の加工食品の惨状はアレなので、注意深くいることはとても必要なコトなのだけれど)

要はバランスの問題なのだろう。良い加減で、毎日の食事を調えること。かつて「正食」なる言葉を初めて耳にしたとき、「それ以外は間違いなんだろうか?」と反射的に疑問が湧いた記憶がある。食べるとは、人それぞれであり、生きる楽しみでもあり、人を幸せにする。だからこそ、いろんなこだわりや志向があると思う。いくつもの正解がある世界なのだ。

神戸で美味しく頂いた薬膳カレーランチ

食事のコントロールで、自分の健康のために工夫したいと願うのも、自然なこと。だからこそ、その願いに付け込む不幸の元にも注意したいのだ。世界中で最もやせっぽちともいわれている日本人が、なぜこれほどダイエット産業に引き寄せられるのか?日本食は健康食だと言われながら、がんが年々増え続けるのはどんな仕組みか?

健やかな食は、自分の体質や生活スタイル、価値観を総合的に見たうえで、自分用にカスタマイズするのが一番である。それは、年齢や性別、体質など一人の人間であっても、生きていくうちに変化する条件にその時々対応するしかないということだ。

しかも、お財布事情も絡むと、すべて無添加無農薬の自然な物で、とはゆかない。上辺は飢えることのない豊かに見えるこの国では、ちゃんとした食べ物や食べ方にはかなりコストがかかり、それを日々休むことなく整えるのは至難となって、ストレスフル状態を招来する。流石に、明らかに毒なものを口に入れないのに越したことは無いだろうが、心を病むような食への不安感は、災害時などでは更なる困難の上乗せにもなるだろう。

以前、「揚げたジャガイモの毒性が怖い」と訴える若いママさんと出逢ったことがある。「気になるなら、揚げたジャガイモを食べなくてもいいし、すぐさま死ぬわけでもないくらいの量しか食べられないだろうから、本当に食べたいときは、身体に悪い物ほどおいしいものだ、と納得して、たまにおいしさを満喫したほうが、健全ではない?」と答えたわたくしだった。
世の中は、揚げても毒性が出ないジャガイモに遺伝子組み換えしよう、という流れである。そんな動きの方が不自然で、お金が絡んでいるような気がしてならないのだけれど。

命と食のもっと根本的な考えを持つのに、わたくしに役立ったのは、このブックレット。↓「生命と食」である。
福岡伸一さんの健全な思考を素晴らしいと思ったことである。遠回りのようだけれど、土台となる考えを持つことで、周りの流行や雰囲気に流されにくくなり、不安から自分を護るとわたくしは考えるのだ。

https://www.iwanami.co.jp/book/b254274.html


食べることは、奥が深い。日本人はお箸で食べ物を口に運ぶ。「はし」を使うことで、他の生き物の命がわたくしの命に同化する。命の「橋渡し」が行われるのが日本語の「食べる」なのだ。命のやり取りを健やかに行うこと。オルトレキシアなる病などに煩わされることなく、しなやかな心持で口福な食で自分の命をこれからも養っていきたいと願うのである。

最後までお読みくださり、ありがとうございます。和風慶雲。


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