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マイクロノベル集 172「楽しみ」

No.1105
最近、無礼な連中が我らの土地を掘り返してしまった。道を作るだの地球を綺麗にだの、きれい事ばかり並べおって。実に愚かしいな。下から出てくるのは我らのエサよ。さらにその下からはエサのエサが。新しい世界に、お前たちの土地が余っているかは見物だな。


No.1106
「当社のサービスには十万のコンテンツがございます」「うちは百万!」「一千万!!」価値より量。当然の理屈だわ。私の本分はコピーと失敗。失敗を進化と言い換えれば瞬く間に一億の精鋭が。いざ、尋常に勝負。自分で価値をつけられるってラクでいいわ。


No.1107
安いよ安いよ。物理法則が大特価。おっ、熱かい? なるほどシミュレーションに使うんだね。君は重力か。宇宙の法則を乱して人類を脅迫する? ははっ、そいつは豪気だな。……さて、在庫は売り尽くしたな。それじゃあ宇宙のシステムを一新するか。


No.1108
吾輩はみっちゃんである。神様とお話をした。「お前が望んだんだよ」本当かなあ。そりゃあお姉ちゃんはすごく優しいから好きだけど。こないだね、初めて公園に行ったんだよ。みっちゃんのお手々がつめたくて、ずっと握っててくれたんだよ。「うん、うん」

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