マイクロノベル集／願いを叶えてやろう 004

016（666）
悪魔にもユーモアが必要だ。人間の願いを華麗に叶え、地獄に落とし、魂を奪う。そこにシビれる憧れる。「あのね、マッチョな人がゴミ拾いしてて、すっごくカッコよかったの。だからマッチョにして」うんうん、それにはバランスの良い食事と睡眠が大切だよ。

017（689）
「これは悪魔の体温計。真実の体温が明らかになる」普通なのでは？　「新型コロナを発症した者がどれだけ解熱剤を使ってもバレる」それいいじゃん！　「ただし、使う度に体温が一度減る」地球に使おう!!　「お代はウナギの魂、3年分」足元見やがって！

018（716）
悪魔もついにメタバースを導入することに。馬鹿な人間を騙すには可愛いアバターがいいかな。ネコミミの女の子とか。おまえ、どうして泣いてるんだ。人間に恋をして反対に魂を取られちゃった？　馬鹿か、返してもらえ。この地獄にはまだ悪魔しかいないぞ。

019（736）
悪魔よ、聞こえますか？　いま、わたしはあなたの心に直接話しかけています。あなたはわたしの願いである、毎日500曲の新曲を作ると誓いました。このメッセージは確認のため、定期的に流れます。もし止めたい場合は以下の電話番号に――「もう許してくれ！」

020（748）
マグカップをこすったら魔神が出てきた。「あ、ども。願いごと聞くッス」なんだか頼りないやつだなぁ。そう思った瞬間、世界が崩壊するような地響きが！　気がつくと、ぼくは魔神とお茶していた。「世界を復元したのは初めてッス」なかなか優秀だね、きみ。