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マイクロノベル集/わがまま 015
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壁紙の一部が汚れていたので張り替えることに。そうしたら下には別の壁紙が。やはり一部が汚れているので剥がしたら、また汚れた壁紙が。「これはもう、壁の個性だと思って下さい」そんな個性があってたまるか。上から真っ黒な壁紙を貼る。
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ぼくはコップにたくさんの氷を入れて、お湯を注ぐのが好き。たとえるなら、お湯とは純粋な意志に不純な意思を加えたもの、つまり罪人なんだ。罪の浄化とは苦痛を伴うものなんだよ。バキバキバキぃー。
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残念なことに、この土地は暑いのです。名産品もないし。どこか涼しいところ? あそこ、すぐ隣の土地は涼しいですよ。贈答用のくだものが収穫できて豊かなので。
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海が見たいと言うので彼女を山に連れてきた。テンションマックスで眼下に広がる大海の写真を撮りまくってるから、多分怒ってはいない。
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家が喋るようになった。「スマートハウスです」風が吹くたびに喋る。「欠陥住宅ではない」大家さんは黙ってて。
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