本格的メモ書き

「お前は今、なにをした」
キャスケット帽を目深にかぶった男が、問い掛けながら歩を進める。地味な色のトレンチコートは、静かに降り続ける雨に濡れ切っていた。その色は、黒。キャスケットも黒。喪服を思わせるような黒であった。

「五月蝿いな。この町は人も物も、なにもかもが俺達のモノだ。俺達のモノを俺達がどうしたところで、お前には関係ないだろぉ?」
舌なめずりをしながら、心底不思議そうにキャスケット帽に問い掛けるトサカ頭。顔には多数のピアス、両手にはナイフ。あからさまな悪党だ。傍らには焼け焦げた少年だったモノ。発火能力者だ。

「関係ない」
キャスケット男の歩みは止まらない。よく見るとそのコートに降る雨が、湯気に変じていた。やがて湯気は煙へと変わり、ブスブスと音を立てていく。そして。

バウッ!
一際けたたましい音を皮切りに、炎が大きく爆ぜた。むせ返るような臭いに、トサカ頭が顔を顰め、口を腕も塞ぐ。なにが起きているのか、訝しむ目。だがそれをよそに、炎は更に前進する。

やがて。その中から出てくる足。それは、甲鉄で構成されていて。
続いて出てくる腕も、頭部も、身体も。全てが、甲鉄だった。喪服の如き装束は全てが灰燼と帰し、甲鉄に身を窶した、赤い瞳の異形がそこにあった。


こんな感じのアヴェンジャーヒーロー(?)物を書きたい。南雲でした。

PS この記事の文体、地味にフィードバックを受けたいなあと思っています。『硬い』など、なんでもいいので是非コメントをお願いします

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