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句を読む―白をみつめる

牛乳の青み八十八夜かな

佐藤文香 編『天の川銀河発電所』より
「阪西敦子」

極北に暮らすイヌイットの人たちは、私たちの何倍もの「白」を表す言葉をもつという。寒さの厳しい雪原で生き延びるには、雪や空、氷のわずかな色味の違いを言い表して仲間に伝え、食糧確保のヒントにしたり危険を回避したりする必要があるのだろう。
牛乳は白い、と私たちは知っている。でも、じっと見ていると、白さの中に青みを感じられることがある。そして八十八夜、収穫時の茶葉は青々と輝いている。
白から青みのある白へ、そして茶葉の緑へ。色の移り変わりが新鮮だ。

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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