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句を読む―時計の音と「変ロ短調」

変ロ短調的秋だticktackさよなら倫敦

高山れおな『冬の旅、夏の夢』

音楽の素養はあまりないけれど、「変ロ短調」がメランコリックなメロディだろうというのは分かる。具体的にはどんな曲調だろう?
Wikipediaによると、

  • 陰鬱で恐ろしい(音楽家・シャルパンティエの談)

  • ピアノだと奏でやすい

  • ロマン派的(つまり、ロマンティック?)

なのだそうだ。
高山れおなのこの句は、どこに句切れがあるかよくわからないし、ぶっちゃけ「これは俳句なのだろうか…」と思わないでもない。
ただ「ロンドンを離れる日、ビッグ・ベンが刻む秒針の音とロマンティックな変ロ短調のメロディ」が重なって、その場にいるかのようなイメージや感情が喚起される。喚起力が強い句だ。

(変ロ短調で有名な曲を貼ってみました。チャイコフスキーの『スラヴ行進曲』。高山さんの第4句集『冬の旅、夏の夢』のリンクはこちら)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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