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句を読む―スターライトパレード

衆く有かに我らゝゝゝゝ虎落笛

高山れおな『俳諧曾我』第4分冊「三百句拾遺」

とにかく漢字が読めなかった。『天の川銀河発電所』には読み仮名がふってあって、「衆く=おほく」「有かに=ゆたかに」と読むことが分かった。
では「虎落笛」は?これは「もがりぶえ」。とても寒い冬の夜に、ひゅうひゅうと風が音をたてて吹くことをいうそうだ。思わず身を縮こませてしまうあの音に、名前がついていたんだなぁ。
「我ららららら」という音の響きと「笛」の文字、そして「おほく(=多く)」「ゆたかに」のことばに、パレードのような心愉しさを感じる。冴えわたる冬の夜の、星のパレードかもしれない。

(『俳諧曾我』は8冊に分冊された句集。絵本のようでとても素敵なのですが、例によって現在は入手困難なのだそう。かわりに高山さんの最新著作『尾崎紅葉の百句』を貼りました)

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現代俳句・短歌を好む私が、ひとつひとつの作品を読んで思ったことをぽつぽつお話ししています。
Amazonアソシエイトリンクは、取り上げた作品が収録された句集・歌集が分かればそちらを貼っています。分からなかったときは私が読んでいるアンソロジー本のリンクにしていますので、こちらもご覧ください。


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