無名ライターのブランディング日記 #2 形から入るのも悪くない
<前回の記事はこちら>
プロフィール写真が微妙な理由
「脱・怪しい女計画」として始まった私のブランディング。前回は
を実行し、無事に第一印象を「怪しい商売をしてそうな女」から「どうやら無害なやつ」へと進化させることに成功した(はず)。
一刻も早く怪しい女から脱するためにSNSのプロフィール写真として設定したのは、スマホで撮影された旅行中の記念写真。
印象は悪くないが、仕事用のプロフィール写真としては微妙な感じもする。その「微妙」の正体は、圧倒的プライベート感だ。
箱根の山々を背景にした“旅行者の笑顔”。シチュエーション、装い、表情のすべてからプライベート感があふれ出ている。これではプロ意識が感じ取れない気がする…。
センスが問われる?フリーランスの宣材写真
せっかく顔を出す決意をしたのだし、少しでもこちらの書く仕事への本気度が伝わる写真を使いたい。
つい先日までのプロフィールの見せ方に対する無頓着さが嘘のように、謎のこだわりが出てきた。私は中途半端なことを好まない人間。これだ!と思ったら一直線だ。
一気に火がついた私は、本気度を感じる宣材写真を用意することを決意。しかし、さっそく一つの壁にぶつかる。
宣材写真ってどんな格好で撮ってもらえばいいんだろう?
直面したのは、「撮られるための準備ができていない問題」だ。履歴書に貼る証明写真なら、スーツにまとめ髪一択だが、フリーライターの宣材写真としてはちょっと堅い感じもする。
センスに自信のある人なら、クローゼットから良い感じの私服を選び、すぐに撮影に行けるだろう。
しかし、コロナ禍でのフルリモート勤務、妊娠・出産
・産後の授乳を言い訳にして、しばらくお洒落から遠ざかっていた私。
コロナ禍以前に購入したそれなりの服も、今の年齢やライフスタイルには合っていなかったり、トレンドが過ぎた感が否めなかったりして、なんだかしっくりこない。胸を張って撮影に着ていけるとっておきの(かつ頑張り過ぎ感もない、良い塩梅の)服がない。
ヘアスタイルもメイクも同じく、気が付けば迷子。さて、どうしよう。このままじゃ、プロのフォトグラファーに撮影していただいても、ただの高画質な記念写真になってしまうような気がする…。
フリーランスの宣材写真、撮られる側のセンスが試されるじゃないか…!
イメージコンサルティングサロンに駆け込むことを決意
センスに自信のない私は、潔くプロの手を借りることにした。
撮影日だけのことを考えれば、スタイリスト・ヘアメイクアーティストの方に綺麗にしてもらうのが手っ取り早い。でも、クライアントやインタビュイーと対面した時に「プロフィール写真とだいぶ雰囲気違うなぁ…」では困る。
これを機に、より相手に好印象を与えられるための知識を得よう。そう考えた私は、最近流行りのイメージコンサルティング(通称:イメコン)を受けることにするのだった。
いざ、診断へ
2023年10月、私が訪れたのは小田急線代々木上原駅から徒歩1分の場所にあるイメージコンサルティングサロン、YINVOKE(インヴォーク)。
オーナーの針谷友貴さんは、以前勤めていた資生堂でメイクの技術を磨き、本部に異動後はブランドマーケティングや事業戦略、店舗の立ち上げにも携わってきた人物。ブランドを魅力的に見せるプロだ。この方だったら、「モテ」とか「愛され」志向ではない、私らしさを引き出してくれるかも…!そんな期待感を抱きながらサロンに向かう。
トータル診断で、徹底的に自分の外見を分析してもらう
到着すると、針谷さんが素敵な笑顔で出迎えてくださった。ホスピタリティと人柄の良さを感じさせる言葉の選び方にもホッとする。
私がこの日受けたのは、「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「顔タイプ診断」の3つの診断をもとに、生まれ持った素材を活かしながら魅力的に見えるスタイルを導き出す、トータル診断のコースだ。
【診断の流れ】
カウンセリング
診断の目的や職業、ライフスタイル、なりたいイメージなどのヒアリングパーソナルカラー診断と似合う色の提案
寒色or暖色だけではなく、色の明度や彩度も踏まえて似合う色を診断顔タイプ診断
顔のパーツの大きさや配置などのバランスから、客観的な印象を分析骨格診断
骨格がストレート・ウェーブ・ナチュラルの3タイプのどの特徴にあてはまるかを診断診断をもとにしたアドバイス
似合う髪型やヘアカラー、ファッション系統、服の素材やサイズ感について、カウンセリング内容を踏まえたアドバイスコスメ提案とポイントメイク
似合うコスメの提案と、ポイントメイクの施術
「似合う」が分かることで、迷いがなくなった
私の診断結果をまとめると以下の通り。
同じタイプに分類される芸能人を例として挙げながら、私に似合うメイクやファッション、髪型のポイントを丁寧にアドバイスしてくださった針谷さん。
結果をかなり端的にまとめると、私が”似合う”を起点にした外見イメージを作る際のキーワードは「柔らかさ」「華奢さ」「曲線」だということが分かった。
逆にいえば、あまり得意ではない色や系統に挑戦したい場合、この3点に気を付ければ似合わせることだってできるということだ。
3種類の診断の中でも私が特に参考になったと思うのはパーソナルカラー診断。
驚いたのが、顔周りに合わせる色によって顔色がまったく違って見えること。
ばっちりハマる色を合わせた時は、肌が1トーン明るく、まるで顔にスポットライトの光が差し込んでいるように見える。
反対に、似合わない色を合わせると不健康そうに見えたり、色の方が悪目立ちしたりして顔の印象が残りづらい。
正直、色による印象の違いがここまで大きいとは思っていなかった。好印象に繋がる色を味方に付けるしかない。
フリーランスがイメコンを受ける意義とは
「垢抜け」や「自分らしさ」、「似合うアイテムを知ることでコスパやタイパを追求したい」に対するニーズが高まるなか、注目を集めるイメージコンサルタントの仕事。日本では個人向けサービスのイメージが強い職業だが、元々は起業家や政治家など、好感度が命となる職業の方向けに発展を続けてきたアメリカ発の専門職らしい。
個人のイメージが重視されるフリーランスにぴったりのサービスではないか。デザインやアート系のフリーランスの方なら、自らオリジナルのイメージを作り出せるかもしれないが、私のような非視覚芸術系フリーランスが活用しない手はない。
実際に、診断結果はプロフィール写真撮影や外出仕事に着ていく服選びの参考になった。
今後ブランドカラーを決める時には色選びに困らないだろうし、もしホームページを作るなんてことになったとしても(今のところ予定はない)、セルフイメージが固まっていれば、デザイナーさんとのコミュニケーションもスムーズに進みやすそう。診断を受けてよかった。
外見に気を遣うのは悪いことじゃない
なかには、外見に気を遣うことに対して「薄っぺらい」「浅はか」と感じる方もいるかもしれない。でも、良くも悪くも、外見はその人のイメージに大きく影響するものだ。
初対面の際に相手に与える第一印象はもちろん、自分が自分に対して抱くセルフイメージも、外見によって大きく変化する。
自分がしっくりこないと思う服を着て、しっくりこないメイクを続ければ、いつの間にかしっくりこない自分になってしまう気さえする。
ちなみに、一般的なブランディングの手順に沿うとすると、本来イメージブランディングは最後の方で取り組むものであることを後に知ることになる。
それでも、私はまず形から入ってよかったと思う。YINVOKEでの学びがあったからこそ、より自分の内面性や価値観を見える形として表現したいというモチベーションが生まれたのだから。
【第3回の記事】
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