見出し画像

いま私にできること : そういえば、私は乳がんだった その後

乳がんの話はもう完結したつもりでいたのですが、ママ友から届いたラインが感慨深かったので、ちょっと書きたいと思いました。

**********

『久しぶり!』

本当にいつぶりだろうというくらい久しぶりのラインでした。嬉しくてすぐに確認すると、そこには恐縮そうに書かれた文章がありました。

『実は私の高校からの友達が乳がんの検診に引っかかって、経験者に聞きたい事があるみたいなんだけど、、ナゴミちゃん的に話したくないことは全然いいんだけど、もし良ければ聞いてもいいかな?』

4年前、彼女とランチの約束をしていた日に乳がんである事が判り、ドタキャンをして心配を掛けてしまいました。彼女は私より3歳年下なので、同級生は、私が手術を受けた年齢と変わりません。

『私で良ければ、何でも聞いて!』

そう返すと、いくつかの質問を転送されたものがきました。

その質問に私なりの答えを送ると、『ありがとう!参考になると思う。このまま転送させてもらうね』と返事が来ました。

『ぜひ。また何かあればいつでも』

そう返し、どうか詳しい検査で何もありませんようにと願いました。


今まで、乳がんの話をすることはあっても、乳がん患者さんと話したことはありませんでした。

無性に誰かと分かち合いたくて、がん患者の集いに参加しようかと思ったこともありますが、なかなか一歩を踏み出せず、現在にまで至ります。

この数年で、仲の良い友人には乳がんであることは伝えています。最初はびっくりしていた人も、以前と何ら変わりない生活を送っている私に、特別な感情は抱かずに接してくれています。

それは、私が元気だから伝える勇気を持てたし、周りも普通に接してくれているんだと思います。

これからどうなるか不安な時、たとえば今後再発してしまったなら、私は貝のように口を閉ざすだろうし、知ってしまった人達もどう接していいか分からないでしょう。

今、元気であるという前提でしか、自分の経験を話すことができませんでした。


名前も知らない彼女の同級生の質問に答えたことは、私にとって感慨深いものでした。

あの日、自分が乳がんだと告げられた日。ランチの約束をしていなかったら、たまにしか会わない彼女に話すことはなかったでしょう。

今回、迷いながらも連絡をくれた彼女に、私の経験が少しでも誰かの役に立つことができるんだということを、教えてもらいました。「ありがとう」と言いたいのは私の方です。

自分本位ではなく、相手の立場に立ってみる。

そうやって伝えていくことも大事なんだなと思いました。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?