さらにその向こうへ2・・ ー那智の滝の奥にある秘境を歩くー【旅日記】
「休憩しましょう」
山道を30分ほど歩いただろうか、ガイドの雄さんが、立ち止まる。
ふぅ 登山は、最初の30分が一番キツイ。
紀州の春は暖かく、薄着で正解であった。また、おとといの春の嵐が、嘘のような静寂さであった。
ここは、神域。張り詰めた空気が、ゆったりした春の陽気に強弱をつける。ピーンと張り詰めた空気が、汗ばんだ体に心地よい。
雄さんが、ザックから藁縄を取り出すと、
「これを足に巻いて下さい」
見よう見まねで、靴の土踏まずから甲に向けて、グルグルっと結える。いわゆる「巻き結び」というやつだ。
登山靴の土踏まずの位置に巻かれた縄、この土踏まず縄を岩に乗せれば、水苔でも滑らず踏ん張れる、との事。
ほう
先人の知恵というやつですね。という事は、これから沢沿いを歩くということか、少し気が引き締まる。
■ 神秘なのだ
はい今回の、なぐなぐツーリスト(なぐツー)は、前回の続きなのだ。前回の投稿を見逃した方に、説明しよう!
ただいま我々「なぐなぐ一味」が歩いているのは、那智の滝の上流。
え? 滝の上に行けるの?
そう、上流の道を、さらに登っているのだ。
その先にある、幻の滝を目指して!
(幻でもないか・・)
ココからは、写真多めでお送りしまーす!
先ほど、縄を縛った場所から下って(くだって)くると、沢にたどり着いた。早速、川を横断する。
トン、トン、トン ぴょん
リズムよく、対岸に渡る。 ほっ、まずは落水せず。
振り返る
カメラを首から下げている余裕が、無くなってきた。ディバックにしまう。そして、ディバックの腰ベルトも、カチリと締めなおす。真剣モードになってきた。
沢沿いを、雄さんの引率に従って歩く。
■ 増水の影響
橋代わりの、渡し木が流されていた。
ただし、木にはヒモが結わえてある。ヒモをたぐりよせる。
よいしょ、よいしょ
木の板を岩にかけなおし、はい、道の出来上がり。
■ 二の滝
再度、蛇行する川を横切り、ひと山超えると・・
おぉ、ついに滝が見えた!
ぼーっと、滝を眺める。
この場所に来た最高齢は、84歳のご夫婦とのこと。ガイドの方たちが、手となり足となり、川に入りながらも、引率してきたらしい。
「行きたい」という想いに、答えただけだ。淡々と話す「雄さん」に、プロとしての心構えを教わった。
■ 3点支持
登山用語で、言うところの「巻き道」。ニの滝のさらに上に出るために、迂回路を登る。なぜか、石段が整備されている。修験者、神職者だけが許された道は、意外に整備されていた。
と、思ったら!
急坂を登り切ると、また道なき道。しかも、両岸が切り立つU字形の地形。ロッククライミングじゃないが、壁に手をつき3点支持が必要だ。苔むした滑りやすい岩淵を、慎重に一歩、また一歩、いや半歩ずつ、じわりじわりと歩を進める。
こんな時に、ふくらはぎが少しプルプルする。緊張と昨日の疲れだ。昨日、頑張って、熊野古道歩くんじゃぁ無かった。
後悔先にたたず。
■ 三の滝
アクロバティックな体勢。腰や足首の硬さが、体力の消耗に拍車をかける。これからは、毎日ストレッチしよっと!
そして、30分ほど登ると、
じゃじゃん
那智の滝は、那智大社の御神体。
そのさらに上流の滝も、もちろん御神体。
祈りを捧げる。
世界が平和になりますように、
そして、『一度は行きたいあの場所』が、『もう一度来たいこの場所』に変わった瞬間だ。
何年後になるかわからないが、必ず来よう。もう一度来たい場所だらけの人生って、面白いじゃないですか!
そんな、「なぐなぐ一味」の旅を妻と続けていこう、
■ 午後の部
帰り道も、相変わらずドキドキの沢沿い道であったが、土の登山道に戻って来てからは、あっちゅうまに下界に戻って来た。
最後に、那智の滝(一の滝)に、ご挨拶
あ〜、腹減った! ごはんごはん
これにて、午前の部終了!
え? 午後?
まさか・・
ふふ、ふくらはぎがプルプル気味ですが、午後も攻めますよ。
実は、おととい土砂降りのなか訪れた居酒屋で、おススメの場所を聞いたのだ。午後からそこに、行くことにしたのだ。一度は行きたいところだらけなのだ。
やはり旅は、成り行き。
はい、
午後の旅や、この場所を勧めてくれた居酒屋(日本酒の楽園)の話もしたいところですが、ここらでお別れ・・
行ってみたくなったかなー
それでは、また!
(おしまい…)
<参考>
今回のガイド付きツアーは、「神秘ウォーク」と言います。毎年2月から6月、水量の少ない時期だけ入れる場所です。参加するには、下記までどうぞ(2023年春の情報に更新しました。)
(他のタビもどうぞ)
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