さらにその向こうへ2・・ ー那智の滝の奥にある秘境を歩くー【旅日記】
「休憩しましょう」
山道を30分ほど歩いただろうか、ガイドの雄さんが、立ち止まる。
ふぅ 登山は、最初の30分が一番キツイ。
紀州の春は暖かく、薄着で正解であった。また、おとといの春の嵐が、嘘のような静寂さであった。
ここは、神域。張り詰めた空気が、ゆったりした春の陽気に強弱をつける。ピーンと張り詰めた空気が、汗ばんだ体に心地よい。
雄さんが、ザックから藁縄を取り出すと、
「これを足に巻いて下さい」
見よう見まねで、靴の土踏まずから甲に向けて、グルグルっと結える。いわ