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酸化させるワイン造り | Hyperoxidationの具体的な影響

ワイン造りに絶対のルールはありません。造り手は自分の追い求める味や香りを目指して様々な工夫や挑戦を醸造の工程に取り入れています。

そうした自由度の高い取り組みの中であってもタブー扱いされることが多いのが、酸素との過度な接触です。

ワイン造りにはところどころで酸素との接触が必要になる局面はあります。しかしそれは別の目的のために選択した手段の中で、酸素との接触が生まれる、という程度のものです。積極的に多量の酸素をワイン造りの中に持ち込むことは基本的にありません。

そうしたいわばワイン造りの常識に反する醸造手法があります。Hyperoxidation (ハイパーオキシデーション) です。

この醸造手法はワイン造りでタブーとされることの多い、酸素との積極的な接触を行います。その目的は酸化しにくいワインを造ることです。

そんな一見矛盾したような醸造の1つの方法、Hyperoxidationとは何なのかについてはこちらの記事をご覧ください。

酸化をさせて酸化から守る手法 | ハイパーオキシデーション

この記事ではHyperoxidationを行った場合と行わなかった場合との比較検証結果をもとに、この醸造手法がもたらす具体的な影響についてみていきます。

この記事はオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」に公開した記事をnote向けに再編集したものです
#サークル記事

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