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樽発酵はタンクでの発酵と何が違うのか

ワインにおける木樽の影響の多くはワインの熟成段階において焦点が当てられます。

これはある意味において単純な理由によるものです。果皮浸漬を行いながら発酵を行う赤ワインの醸造においては、225LのBarriqueのような小型でしかも密閉した形状の容器は適した形状とは言えません。

果帽管理を行う際などはその典型といえますし、発酵が終わった後で樽から果皮や種子の固形物を完全に取り除くのも大変です。いわば、作業性と洗浄性の両面から向いていない形状だといえます。

事実、木樽を発酵容器として使用しているケースは大型で上部が開放できるタイプであることがほとんどです。

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一方で発酵前にプレスして果皮と果汁を分けている白ワインの場合には状況が少し変わります。

白ワインの発酵管理では果帽の管理は基本的には不要ですので、密閉型の木樽を発酵容器として使用しても大きな問題は生じません。そうなると気になるのが、密閉型の木樽を発酵容器として使用した場合の影響です。

今回はこの点について深堀をしていきます。

この記事はNagiの主宰するオンラインサークル「醸造家の視ているワインの世界を覗く部」内にメンバー限定記事として投稿された記事の一部を再編集したものとなります。サークル内では一般未公開の記事も多数ありますのでご興味をお持ちいただける方はぜひサークルにご参加ください。
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