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手軽なワインと高級ワイン、どちらに手をかけるべきか

ワイナリーの方針にもよりますが、大概のワイナリーのワインリストではリリースしているワインの階層化が成されています。

例えば私が所属しているワイナリーはドイツのVDPという団体に所属していますので、このVDPで定められた規格に則ってワインを階層化しています。この場合の階層化の方法は、フランスのAOCのようにVDPが定めた畑の格に基づくものと、ドイツのワイン法が定める収穫時果汁糖度に基づいた格とが並行運用されています。

VDPについてはこちらの記事を参考にしてください


この階層化の具体的な現われ方は、ワインの価格です。

一般的に格が高いものほど価格は高くなり、飲まれるシーンも特別なものとなりやすくなります。おそらくこれは実感として皆さんからも同意していただけるのではないでしょうか。


醸造面で手をかけるべきは格の低いワイン

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ドイツのワイナリーで現役の栽培・醸造責任者としてワイン造りに関わっているNagiが見ている視界や考えていること、ワイン造りのための技術などを発信していきます。 公開されている記事にだけ興味のある方はサークルに加入することなく、それらの記事をご覧いただけます。

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