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ワイナリーの四方山話|規模拡大を阻害する要素

ワイナリーの経営にとって規模の拡大は1つの重要なテーマです。

ワイナリーの収益構造はとても簡単です。基本的にはワインを造れる製造能力の上限がそのまま売上高の上限となります。この場合の製造能力には所有する畑の面積、調達できるブドウの量、そして醸造できるタンクの総容量などが含まれます。

一部に例外はありますが、1本のボトルにつけられる価格にはおおよその上限があります。この上限価格に生産できる本数をかければ想定される売上高の最高値が出てきます。どんなに頑張ってみてもワインの生産と販売だけでこれ以上の売上高をあげることは不可能です。このため、売上高を拡大していこうとすれば、キャパシティの拡大、つまり規模の拡大を避けて通ることはできないのです。

さて、このワイナリーの規模の拡大ですが何が重要な要素になるでしょうか。

「ワイナリーの四方山話」はドイツのワイナリーの醸造責任者として勤務するNagiが日々の仕事のなかで感じたり考えたりしたことを時に長文、時に短文で簡潔に書くシリーズです。理論的な解説や学術的をともなう難解なアプローチはせず、気楽に読んでいただける内容となっています。
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