"色気がある"作品と"エモい"デザイン
作品講評の時などに、先生の口からたまに出る言葉があります。
「色気がありますね。」
これはただならぬ雰囲気があるとか、なんだか放って置けない魅力がある、
何かかき立てられるものがある、という意味でのお褒めの言葉。
もっと若者らしい言葉でいえば、
えろいとかえっちぃとか、そういう表現にするとわかりやすいかもしれません。
ですが、今回は直接的にセクシャルな表現ではない作品についての話です。
皆さんももしかしたら、
はっきりセンシティブなものじゃないのに対して
なんかえっちだなって感じたりとか、
あるいは他の方たちがそういう感想を交わしているところを見かけたことがあるのではないでしょうか。
例えば、私はデザイナーの山中俊治さんのスケッチが大好きなのですが、
山中先生の線はなぜか、すごく"色気がある"線だと感じます。
洗練された心地よさの感じられる線、スケッチ。
このような感覚は論理で理解する要素ではなく、
感覚レベルで直接響いてくる「快」の感覚ですね。
それは「エモーショナルデザイン」の要素にもつながってくるのではと思います。
それをデザインとしてどう取り入れていくか。という研究をよく書いているのがこちらの本です。
「なんかいい」と感じるときの
「なんか」というところが非常に重要なところ。
デザイナーさんとは、そうした言語化できないレベルの「なんかいい」をわかって、さりげなくその微妙な差異をコントロールし、
デザインに落とし込むことができる、そういうお仕事なのではと感じます。
自分も「デザイン」を意識したものづくりをするようになり、
デザイナーさんの本を読むのが好きになってきて気づいたことでした。
もし"エモい"デザイン力をあげたいと思ったら
日常生活で「あ、なんかこれめっちゃいい!」って感じるものに出会ったときに、ちょっと立ち止まって、
「でもそれはなんでいいんだろう?」を考えてみる
という時間を増やしてみると掴めてくるのかもしれません。
「なんかいい」デザイン問答のお話でした。また書きます。
最後までお読みくださり、ありがとうございます!
(余談: カバー写真は大学時代の自分のインスタレーションを撮った写真です。カバーはいつも自前の画像でと意識しております。
自分の今のジュエリー作品も今回の題のような感想をいただいたこともあるのですが、まだまだこれからです)
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