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食べ物の消化の話 – ドーナツの穴はドーナツなのか、、そして穴に住む者たち

ドーナツにあいている穴、あの穴の部分はドーナツなのだろうか、それとも空白なのだろうか。穴がなければドーナツではないような気もするし、向こうがすけて見えるということは存在としてはそこにはない。

人間の消化器官を勉強しているとき、そんなことを思い出した。

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口から入った食べ物は、食道を通って、その後、胃・小腸・大腸を通っていく。その間に、分解され、必要な栄養分を体内に吸収し、その後排泄されることになる。消化管は、中空性器官とよばれる。食べ物が通る部分である、中は(簡単にいうと)ドーナツの穴のように、空間なのだ。だから、消化管は、体内の体外と言われることもあるのだとか。

うわあ!体内の体外か、、言われてみれば当たり前なのだけど、今までそんな風に考えていなかった。。
食べ物を口にいれたら、身体の「中」にいれたと考えていたし、食べたらそれがそのまま栄養になる、とばくっと考えていた。
でも、本当は、その先にとても精密な身体のプロセスがあるのだ。食べ物が、栄養分として身体の細胞のひとつひとつに取り込まれるまでには、中空性器官である消化管につながっている実質性器官(肝臓や膵臓など)の各臓器から出てくる消化液と混ざり合って少しずつ分解され、そして、血液の中に栄養素として取り込まれ、その後、各細胞に運ばれていく。

その上、その「穴」の部分では、人間の身体では消化できないものを消化するのをたすけてくれている腸内細菌という、自分以外の生き物が住んでいる、だなんて!(ホエー!)

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栄養学の分野では、「カロリー栄養学」が主たるものだったのが(カロリーオーバーで太ったり痩せたりと考えるのは、これですね)、その後「抗酸化栄養学」が研究され、そして現在は「腸内細菌栄養学」「遺伝子栄養学」が注目されているという。

まだまだ分からないことも多い、腸内細菌についてだが、確実に人間の消化のしくみに組み込まれているし、その上、腸内細菌の状態は免疫力や人のマインドにも大きな影響力があるんだって。(ワー、ソウナンダ!!)

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ドーナツの穴の中に住んでいる腸内細菌は、明らかに「ワタシとは違う遺伝子」をもっている。自分の身体で消化していると思っていた食べ物は、自分だけで消化しているのではなく、最終的には、穴に住む彼らのたすけがあって初めて、そのプロセスが全うできる。(ナルホド、ナルホド。)

とすると、例えばカロリーゼロの人工甘味料とかは、人間の身体で吸収できないから、カロリーゼロなわけだけど、吸収しないまま腸にいっているということになる。もしかしたら、腸内細菌くんたちは、見慣れぬ複雑なものを分解しようと、大きな負担を抱えているかも。人体に影響はないという研究はされていても、腸内細菌の受け持つ分野に影響がないかどうかは、まだわからない。

そう思うと、食べるものを選ぶ時に「ソレ、本当に食べたい?」「ほしい?」ってもう一度考えてから、口に入れてもいいのかもしれない。自分の身体の中で、働いてくれている腸内細菌くんたちの事ももう少し気遣ってみようかな。。もちろん、人工甘味料のことだけだけではなく・・・・、口にしている様々なものを。

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食べ物の消化吸収の話は、特に興味深いので、このあともきっとたびたび出てきます。もしよければ、またおつきあいください。
(・・・書き終わってから思ったけど、ドーナツより、ちくわのほうがイメージつきやすかったかな、、笑)


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