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それでも。

息を吸って沢山息を吸って、溜め息が、
必死に穏やかを装う自分の心から塞げずに思わずもやっと漏れる。
毎日、同じ時間なのに、昨日のことが時々、一昨日のことが時々、遠い昔に感じる。
あの時の、熱気が誰かの話し声が、足音が、自分の鼓動が少しずつ遠くなる。
遠くなるに連れて尾を引く。
思い出して色鮮やかに鮮明になるべく近くにいてくれるように必死に取りこぼさないようにかき集める。
でも、立ち止まったら置いていかれる。
私は、今、ここに、いる。
そうやってそれに気づいて生きていく必要がある。
周りを見渡すと、今を必死に生きている人たちがいた。
誰かのために我慢してる人もいた。
自分の人生を謳歌してる若者は
自分のことしか見えていない若者でもあったり
今を生きることを心から楽しんでいる若者にも見える。
効率よく、なんでもさらっとこなす大人も、
お酒を片手に愚痴を吐きながら俯く大人も、
夜の電車、寄りかかって過ぎて行く眠らない街を眺める大人も、ドジで慌てん坊で毎日必死に食らいつこうとする若者も、達成感に満ち溢れた顔つきの若者も、珈琲の香りを楽しむ大人も、小さな画面を開いてイヤホンをつけてYouTubeにニヤける大人も

わたしたち、いつも、
誰かと生きていて、
関係ないように見えて、
細い細い糸で
複雑に絡まって

生き方なんて誰にも決められてなんかいないけど
もしも
運命なんて存在するなら
そうなるように、こうなるように私たち、導かれて生きているのかな。
毎日、
何があっても
それでも
溜め息だって漏れてしまう日も、
あって良いんじゃないかと
それでも
何か今日、やり残したこと、ないだろうかと
遠い記憶になる前に
ちゃんとちゃんと
自分の経験たちが自分を強く大きくしようとしてるって
それでも胸張って
生きなきゃ。
だよ。

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