物売り留学生に出会ったはなし

昨日、とある出来事がありました。

この出来事、そして私の行動や言動、それらが良いか悪いかは皆さまの判断にまかせますが、これを書く理由としては、日記と同類としてとらえているのでそのあたりはご了承ください。

なので、コメントも、感想程度でいただけると嬉しいです。

物売りの外国人留学生

場所は大阪駅。時刻は18:30頃。
バスターミナルが立ち並ぶそこで私も自分の乗りたいバスが来る待合場所で待機していました。

そこに突如現れた女性（と言っても童顔で最初は少女と書こうかなと思ったくらいです）
明らかにベトナム、タイあたりの東南アジア系の外国人女性です。

女性は、私に向かって名刺サイズのラミネートされたカードを差し出しました。

私はベトナムから来た留学生です。いま、お金にこまっているのでお菓子を売っています。たすけてくれませんか。

こんなことが書かれていました。

手元には大きな手提げ袋。その中には外国のウェハース菓子が5つ程度入ったパッキングされているお菓子のセット。
パッと見た感じ、賞味期限のハンドラベラーは付けているようでした。

私は、この差し出されたほとんどひらがなのカードを見て、日本語は不自由かと思い、英語で「How much？」と聞きました。

そしたら日本語で「これ（1袋分）で500円、こっち（2袋セット）は1,000円」と返ってきました。（日本語喋れるんかい）

呆れからの質問

ここでの私の本心は、呆れてました。
留学生がなんでお金に困って日本に不似合いな物売りをしているんだろうと。
ていうか、そもそも怪しいし、留学生かどうかもわからない。
売っているものも食べられるものか定かでない。

私は先に「留学生って、どこの学校？」と聞きました。

彼女は「あ～、え～と、大阪、じゃなくて難波の～、日本語学校。おなじベトナムの友達は～、東京の、大学」としっかり言葉を選んで答えてくれました。

どうやら他にも同じように物売りしている人がいるようです。

私はすかさず「留学生なら、アルバイトできるはずだよ？アルバイトしていないの？」と聞きました。

彼女は「あ～、アルバイト…、前はお弁当屋さんで～やってました。今はしてません」とのこと。

なぜアルバイトでなくこんなことをしているのか…（2回目）
もう私の呆れ具合はMAXでした。

関わる理由

なぜ私がこんなにも留学生に興味を持っているようなことをするのかというと、前々職で学校に務めていただからです。
専門学校の学校事務職を通じて、たくさんの外国人留学生の受け入れ対応や受講支援を行ってきました。
彼ら彼女らは、日本で学びたくて一生懸命日本語学校で日本語を学び、日本語検定を受け、そして専門学校で日本の技術を学んでいて、将来日本で働きたいと志していました。

私はそういった、外国人留学生を見てきたからこそ、この女性にも同じような気持ちや志しがあるのではないかと思い、それを測っていたのです。

最後、私が出した結論は

私は、彼女にこう言いました。

「いい？あなたはアルバイトをしましょう。こんなことしているのは、良くないことです。留学生でもアルバイトしながら勉強できている人たくさんいる。それにこれ（物売り）は、みんなから怪しいと思われる。私も嘘かもしれないと思っている。でも信じるから言うね。これはやめて、アルバイトをしましょう。」

そして、千円札を彼女に渡しました。

彼女は、「はい…。はい…。」とひとつひとつ返事をしてくれていました。
そして千円札を受け取ったとき、一回り大きな声（と言っても小さいけど）で「ありがとうございます。」と言いました。

私は2袋のお菓子詰め合わせをもらい、ちょうどバスが来たので乗りました。
座席に座り、待合所を見ると彼女はもういませんでした。

本当か嘘かはいまでもわからない

結局、あの外国人女性は留学生なのかも、お金に困っているのかも、わかりませんでした。

人の素性は、こんなにもわからないものなのだなと、実感しました。
どうりで、戦争や紛争がなくならないわけです。

彼女から買い取ったお菓子の詰め合わせを見てみます。

表

裏

うーん。やはり食品表示法等の原材料などの表示がされていませんね。
本当は売ってはいけません。

こういうことをするなら、もっと勉強して頭使ってやってほしいなというのが、元学校職員の感想です。

本当か嘘かはわかりませんが、彼女の目には悪意を感じませんでした。

なので彼女には、私の千円札とそれに込めた思いに気づき、留学生として正しい行いをしてくれることを心から願っています。

全ての外国人留学生が、日本という国でこんな行為をしなくていい社会作りができたらいいのにとも、思いました。