カフェインレスで心の安定を手に入れよう
◉コーヒーを飲むとリラックスできない?
これはコーヒー党だったわたしが、カフェイン断ちをして不安障害を和らげたお話しです。
私はコーヒーが大好きです。
香り、苦さの中にあるほのかな甘み、ミルクを入れた時のまろやかさ。
飲むとほっと一息つき、リラックスできます。
デスクワークをしていた時代は一日に何杯も飲んでいましたし、休日はカフェ巡りをしてコーヒーを飲むのが、とても大切な時間でした。
そんな私ですが、4年ほど前からコーヒーを飲めなくなってしまいました。
それは不安障害になってしばらくたち、少しは気分が落ち着いていた日曜日のことです。
その日は気分よく買い物に出かけていたのですが、ある時間を境に身体全体に不安感がこみ上げてきたのです。
せっかくひさしぶりにリラックスできていたのに、楽しい気持ちは消え失せ、また希望がない気持ちになり、風景がずっしりと重く見えてきました。
その後、不安感はしばらく続き、貴重な日曜日をリラックスして過ごすことができなくなってしまい、とてもつらかったことをおぼえています。
◉苦しい気分の原因は「コーヒー」ではなく「カフェイン」?
「午前中までは不安な気持ちは落ち着いていたのに、どうして急に不安感が湧き出してしまうのだろう?」わたしはそう考えました。
当時、不安障害が大きく改善していないのはわかっていました。
それにしても不自然なこの気分の変調。
何か原因があるのではないかと、その日の過ごし方を振り返ってみました。
すると、出かける時にはいつもお楽しみの缶コーヒーを飲んでいることに気づきました。
「もしや、コーヒーを飲むことと関係があるのかな?」
それで試しに「あえて狙ってコーヒーを飲んでみる」ことにしました。
お気に入りの濃いめの缶コーヒーですが、不安症状を起こすかもしれないと思うと少し怖い気持ちです。
飲んでしばらくすると、とばりが下りるように不安感が身体全体を覆っていくではありませんか。
この世界が不安定で、焦りや、色が、どんどんなくなっていく感じ。
生きることが全然楽しくない、この苦しさ。
「うわー、きたきたこの感じ」
そこで時計を見てみると、コーヒーを飲んで2時間ほど経っていました。
それを何日か繰り返し、どうやら自分の体調とコーヒーには因果関係がありそうだと実感しました。
◆カフェイン(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
◆飲料のカフェイン含有量に関する調査-知らずに多く摂取していることも!?
(出典:独立行政法人国民生活センター)
どうやらカフェインの濃度が増すと、中枢神経系が刺激された事による知覚過敏、不安、振戦などの有害作用が起きてくることもあるようでした。
ただ自分が普段から、過剰摂取と言えるほどのコーヒーを飲んでいたかはわかりません。
個人差もありますし、不安障害も発症していましたから、より身体が過敏になっていたのかもしれません。
◉コーヒーをカフェインレスにすることで不安を軽減しよう
あれから私はコーヒーを飲むことをやめました。
とても悲しいことでしたが、あの不安感の方がよほど深刻でした。
そのかわりになる飲み物を探すのに長い時間をかけましたが、ようやく「カフェインレスコーヒー」にたどり着きました。
◆デカフェ(出典:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)
また、ロイヤルミルクティーを作るのもすごく好きでしたが、それもやめてしまい、紅茶はハーブティーに変えてたまに飲んでいます。
そのカフェインレス生活の効果もあってか、カフェイン摂取によるメンタルの不調や不安感は大きく軽減していきました。
メンタル不調の原因が一つ減るだけで、日々の生きづらさが緩和されることは、病気の回復に大いに助けになりました。
不用意に自分の世界を曇らせることはなく、おだやかに過ごせる日が一日でも増えることが、どんなに救われることだったか。
アダルトチルドレンであることによる人生観や人との向き合い方、いくつもの病気、仕事環境など、生きづらい要素が絡み合っていますよね。
そうした人生の中で、ストレスの種を一つでも減らしていくことが、安心して暮らすために本当に大事なのだと実感しています。
とはいえ、今でも美味しいコーヒーをどうしても飲みたくなるときがあります。
あのコクとキレのある、カフェインが入った美味しいコーヒーを。
しかし、飲んだ後にまたあの強烈な不安感が戻ってきたらと思うと、
あんなに苦しい不安感がぶり返したらと思うと、
怖くて飲むことができません。
それてもカフェインレスコーヒーのインスタントでも、なかなか美味しいものも出てきていますし、ドリップであればより美味しいものがありますので、それでなんとか楽しむようにしています。
◉4年ぶりにコーヒーを飲んでみた結果
大好きなコーヒーをカフェインレスにしてから4年、不安障害の症状はだいぶ落ち着きを見せています。
そんなこともあり、「今ならコーヒーを飲んでも大丈夫なのでは?」と思うようになってきました。
それで再び缶コーヒーを飲んでみることにしました。
ひさびさのお気に入りのコーヒーは、本当に美味しかった。
デカフェでは味わえない深みがやっぱりあるのですね。
そして飲んで約2時間。
今までのような不安が襲ってくることはありませんでしたが、そのかわりに動悸がしてきました。
「あ、やっぱりきた」と思いましたが、動悸はほどなくしておさまりました。
自分の不安障害の状態がだいぶ回復していることも分かりましたが、それでも無理はよくないこともはっきり分かりました。
ですので、ここはこらえてカフェインレスコーヒーの生活を続けています。
もし、あなたも生きづらく苦しい日々を過ごしているのなら、カフェインレスの生活を試してみるのもアリかもしれません。
それだけで、思いもよらない心地よい一日が訪れるかもしれませんよ。
そうして、生きづらさを減らすようトライして、あなたの安心した今日一日を過ごしてもらえたら、と思っています。