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【18歳になる君へ】育てるという事


【育てるという事】

新しく何かを始める時。
新学期だったり、勉強だったり、仕事だったり。
初めての経験に戸惑う事がたくさんある。

少しずつコツを掴んでいっていて、慣れてきて、また失敗して、成長しながら、それを繰り返していくと思うのです。

妊娠と出産、そして子育ても、同じだと思っていて、ご先祖様や先人が経験しているとはいえ、勉強してたり覚悟していたとはいえ、突然始まる母親。

産む前から、産んだ時から、24時間×365日×18年=157,680時間を想像する事なんてできない。

長女を産んだ21歳の私は、若さと勢いはあったけれど、小さな命を守る事に必死だったのです。

いろいろな分野で「センスがある」と言うことがありますが、私は母親のセンスはなかったと言い切れる。

だから、育児は育自という言葉を知ってから、「一緒に生きていく。一緒に人生を楽しむ」を意識し出したのです。


■親の理想なんて、子どもには関係ない

「こんな子になって欲しい」

子どもが産まれると、夫婦で理想などを語り合いながら、子育てが始まるのですが、私の理想とはかけ離れていたのです。

長女との1年は、可愛い分とんでもなかったのです(笑)

私は育児休暇を取得し、1年後に復帰を目指して、里帰りもせず、初めての子育てに奮闘していました。

元夫は、不定休の朝から終電まで仕事。
長女と2人の時間がほぼ毎日続き、いわゆる、ワンオペ育児状態。

ワンオペ育児とは、夫婦のどちらか、またはシングルの人が家事・育児を一人でこなす状態。
特に母親がワンオペ育児の問題を抱えることが多いと言われています。
自分ひとりで全てをこなさなくてはいけない責任の重さや気軽に相談できる相手がいないことへの不安、育児のストレスを抱えていることなどが挙げられます。

Google 生成AI より

2時間おきに、起きて泣いてをくり返す長女を見ながら、家事をやって、成長を喜んで、また奮闘してを繰り返し。

ひよこクラブに出てくるママさんたちは、なんでキレイでいられるんだろう…可愛いママさんに憧れもあったし、働きながら、うまく子育てをしているママさんがうらやましかった。
家族だから、私は家にいて、夫は働いているから、私が頑張らなきゃいけない。

振り返ると、理想を追いすぎていたように感じます。
そして、変な焦り方をして、自分自身を追い込んでいたのです。

自分自身にできる範囲は決まっていて、自分らしく「これ以上はお手上げだ」と誰かに言えたら、もっと精神的に楽に、長女との時間を楽しめたかもしれません。

そして、今までの生きた方を、嫌でも変えて行かなきゃいけない。
長女が育っていくにつれて、変化に対応しなければいけない。

思ってたより、時間は早く進むし、長女に置いて行かれるような感覚さえなったのです。

しかし、初めての経験。
「人間を育てる」初心者だって事さえ、育てている側は気付かないものです。


■自分は大丈夫なんてない。壊れるときは壊れる。

長女との時間は、楽しくもあり、自分自身との戦いでもあった。
慣れてきたと思えば、また成長して、新しい知識を取り入れて、対応して行かなければいけない。

「うまくいかない」
家族の形も、長女との時間も、自分自身も。

泣き止まない長女の泣き声に耳を塞いで、泣いた事もある。
言葉も分からない0歳児の長女に怒鳴った事もある。
精神的に追い込まれて、軽い過呼吸になった事もある。
泣きながら、仕事中の元夫に電話した事もある。
家の事が出来なくなって、引きこもりになって、自分の事がどんどん疎かになった事もある。

長女が1歳になるまでに、外では平気そうな顔をしながら、「私は母親に向いていないな」と思っていたのです。

しかし、辛い苦しい気持ちを通り越して、長女が首が座った時、寝返りをした時、離乳食が食べれるようになった時、あやすと笑ってくれた時、できる事が増えていく度、私の辛い苦しい気持ちなんて、どうでも良くなる。

「こうやって母親になっていくのか」

今でも、最初の子が長女で、本当に良かったと思うのです。

ありがとう。私を母親にしてくれて。


■助けてくれるのは家族だけとは限らない

私には学生時代から仲のいい友人が数名います。
20歳で結婚して、21歳で出産して、疎遠になるかと思えば、私と長女に会いに遊びに来てくれる事もあったのです。

この時間があったから、乗り越える事もできた。
家の中という閉鎖空間で、2人きりの生活の中、客観的に私自身と長女を見る機会もできたのです。

中学生時代の友人グループは、長女が可愛くてしょうがなくて、よく連絡をくれて、遊びに連れ出してくれた。

高校時代の友人は、仕事帰りによく遊びに来てくれて、夜泣きの長女を連れて、夜のドライブに連れて行ってくれた。

バイト時代の友人は、長女を連れて行けるランチに、よく誘ってくれた。

この時間があったから、長女と向き合う事も、乗り越える事もできたのだと、今も感謝しかありません。

長女は、たくさんの人に愛されて、助けられ、安心して育つ事ができた。

時には、誰かに頼る事。
どんなに不器用でも、かっこ悪くても、周りに誰かがいる事、手を伸ばす事を忘れないでほしい。

Nagiko


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