旅先での出会いでさえも。

昨日、出かけた先で、見知らぬ人と言葉を交わした。どちらから?とか、お花が綺麗ですね、とか、お気をつけて、とかの、他愛のないやりとり。

それで思い出したのだけれど、私、20代の頃、よく一人旅をしていた。その旅先で、知らない人と会話する機会はけっこうあって、それが楽しいとも思っていたけど、なんか、変だな、という気もしていたのだ。疲れる感じがしていたし、もしまたどこかで同じ人に会ったら、ちょっと困る気がしていた。

作っていたんだよね。"素敵な出会いがあった"と思ってもらえそうな自分を。

初対面の浅い関係だから、自分を作って見せるのは容易に思えて。嘘をつくというほどではなくて、ほんの少し何かをずらして、自分をキレイな存在に見せたい、という感じ。それは日常のコミュニケーションでも私の無自覚の癖だったけど、旅先ではいつもより大胆に、自分ではないものを演じる気持ちがはたらいていた。

それが上手くいったと思えたときに、「旅先での出会いは楽しい」という気持ちになっていたんだと思う。同時に、上手くいった時ほど疲れたし、「旅先で出会った人と、なんかそこまで仲良くなれないんだよな」と思っていた。そりゃあそうだ。

昨日、他愛のないやりとりを交わした人と別れた後、ふと、「あ、旅先で出会った人に、心をひらいて話をしても、いいんだな」と、思った。(勿論、見知らぬ相手をいきなり全部信用するとか、何でも言うとか、そういうこととは全く違う次元の話で。)

同時に、身近な人とも、心をひらいて言葉を交わしてもいいんだな、と、思った。

心の中に小さな光がはじけた感じ。

接客とは直接関係ない話だけど、案外、こういうことが突破口になるのかも、と思ったので、書きとめておく。

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