見出し画像

web3における特許の考え方

web3の思想(原理主義的な考え方)で行くと、仕様は常に公開されるべきで特許を取るのはナンセンス、なんて思われがちなので私の考えを述べていきたいと思います。

なぜ特許を取得するのか

まずこの点を話すと、一般的に言えば利益を守るためですよね。
ただしその考えは特許を独占する場合の話です。
特許をとりあえず取得して権利収入を得る特許商売というものもあって、先に申請したもの勝ちという特許の性質を利用したビジネススキームです。
一方、特許を取る理由は様々で利益を守るためというだけでは無いことを考えていただきたいです。

もう一つの特許の意味

私の考え方として一番大きいところがあります。
それは、特許はそもそも公開されるものであり公示されれば誰でも自由に閲覧できるようになります。
この前提があるので、特許は権利を守るのであって特許の内容を守るためのものではありません。
つまり特許に抵触しないように内容を確認して新たなものを作ることによって権利の抵触を避けてモノを作れるということです。
重要なのは、特許を持っている側が使用者に対してどういった対応をするかです。
つまり、特許は取ったけど使用料も許諾もいらないということを公言してしまえば特許が取られていても自由に使えるわけです。
とはいえ、当社製品については違う考え方があるので後述します。

発展途上における特許

発展途上の技術には多くの特許取得のチャンスがあります。
それ故に、適当な特許を申請して本当に素晴らしい技術の発展を阻害してしまうことがあります。
こういったところはやはり仕組み上仕方ないと思います。
ただ、特許を取得する側に明確な意図がある場合は話が変わってきます。

脆弱な技術によって後発ソリューションが・・・

特にセキュリティを伴うような要件の場合、適当な技術がリリースされると後に問題になったとき業界やモノに対してマイナスイメージが大きくなり、技術をよく知らない人たちにとってはすべて同じ脆弱なモノとして印象が確定してしまいます。
当社であればNFC技術を使ったウォレットを開発していますが、他の人がNFCを使って同じようにウォレットを作成したとします。
そのNFCウォレットが秘密鍵の漏洩を起こした場合どうでしょう。
NFCが脆弱だったからという印象が付きかねないのです。
そうなると後発のNFCウォレットはその罪を背負うことになり、いいものなのに印象が悪いという状況に陥ります。

いくら別のものだと主張しても、少なくとも一般層が違いを認識することはまず無いと思います。

権利ではなく技術を守るための特許

私は時間をかけてセキュリティ問題に向き合ってきました。
流石にハードウェアウォレットまでのセキュリティをNFCカードに搭載するにはそもそもカードから作らないと行けないと思うのでそこは置いておいて、既存のハードウェアでどこまでのセキュリティが実現できるかに重点を置いています。
最近ではハードウェアウォレットですら管理方法次第で脆弱になることが証明されているので、基本的には扱う側のリテラシーになるのですが、開発となると話は変わってきます。
開発するにあたって、設計に時間をかけてできるだけ考えられるセキュリティ対策をすることが重要だからです。

設計の甘いシステムが世に放たれてしまうと、それを利用したユーザーに不利益を与えてしまう可能性があり、リテラシーの問題ではなくシステムの欠陥によって問題が起きてしまうことがあります。
設計の甘いシステムを世に出されてしまわないために何が出来るかというと、そこで特許を使うのです。

私としては将来的に特許の使用許諾をフリーにしようと考えています。
これに関しては関連会社、関係者の話し合いによって決まることなので私の一存では決められませんが、私個人としてはそうしたいと思っています。

特許を取る意味の一つに、脆弱な技術が世に出ないための抑止力という意味合いもあるというお話でした。

特許をフリーにするタイミング

私はそのタイミングを、世の中がシステムに対して安心感を持ちプロダクトが成長したときだと思っています。
セキュリティに一般層の裏付けが付いた段階であれば、その特許をセキュリティの平均基準として考え、これ未満のものを公開するメリットが無くなるため、類似システムの脆弱性が払拭できるはずです。
また、フリーにすることでオープンソース化しさらなる発展を遂げていく未来も考えられます。
大手ソフトウェア開発企業も、成熟した特許を開放しオープンソース化することでより良いものを世間に産み落とすきっかけを作っています。

web3で特許はナンセンスか

最初にも言った通り原理主義的な考え方をするとそうなってしまいます。
ここまで話した内容を見て、それでもナンセンスだと思うのであればそれは仕方ないと思っています。
ただ考えてください、特許商売をしたい、特許をとりあえず取っておいて権利収入を得たいというのと、しっかり技術を開発して世の中に役立てたいという思想にどれだけの違いがあるか。
おそらくナンセンスなのは特許を乱発して技術を潰す行為の方だと思っています。
実現する能力がないのに特許だけとりあえずとっておくと言うことが私はあまり好きではないです。
実際に調査してみるとそういうものが大量にありますしね。
抑止力の特許、金儲けのためだけの特許、どちらなのか見極めるのはユーザーなのでそこもやはりリテラシーかなとは思います。

まとめ

私自身は現実に良い製品ができればいいと思っています。
そのために、特許を取得するというのも問題ないと思っています。
要するに特許を運用する側の考え方次第で特許が取られていても問題になるかならないかは変わってくると思います。
なので意見をする場合はきちんと内容を理解してからすべきかと考えます。

幸い、今のところ私個人に対してのお怒りの意見は届いていません。
意見があったからこの記事を書いたわけでもないです。
私の真意としては、モノを判断するときにその背景を調査してくださいということです。理念や構想を理解した上で意見してください。

しかしモヤモヤとしている方もいるでしょう、この記事が少しでもモヤモヤを解消できたら幸いです。

NFTag™とは

最後に、当社および株式会社PBADAOが開発・販売しているNFTagについてお話させてください。

パッションは、リテラシーを、ジャンプする。

NFTagはNFCタグを利用したNFTを簡単に受け取るための仕組みで、それだけではなく継続して需要を生み出せるようカードを擬似ウォレットとして扱い、体験を蓄積できるプロダクトとなっています。

2021年の12月に構想をスタートし設計を重ね、2022年8月に基本実装が完了しTwitterを通じてソリューションを公開、2023年にはセキュリティ強化の実装が完了しV1.1となる新NFTagの発表を控えています。
また、大手NFC企業と提携し生産ラインを確保し様々なアイテムを生産することが可能となりました。

すでに多くのクライアント様と提携、引き合いを頂いており、今までなかった体験を企業側が提供できるようになっていきます。
6月以降のリリースには注目してみてください!

NFTag™問い合わせ先:
株式会社PBADAO 広報担当
Email:pr@pbadao.com

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?