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看病の仕方がわからない。

朝、寝ている彼女に抱きついてみたらいつもよりとても暖かかかったので、なんとなくおでこを触ると、ものすごい熱だった。彼女いわく「夜中から寒くて熱くて大変だったが寝たら治ると思った」とのこと。熱を測ると39.5度…!すぐに病院に行くことになった。今回はそんなお話。















車が運転できないわたしはタクシーを呼ぶしかなかった。

彼女の車はあるが、わたしは運転ができない。彼女も運転できる状況じゃない。

「私、普段からあまり熱とかでないから、たまに出ると動けへんのよ…ごめんね…寝てたら治ると思うからちょっと寝るわ…」

涙目で力なく答える彼女だったが、どう考えても熱がすごいから、病院に行くことを強く勧めてようやく重い腰を上げてくれた。

以前「私が仕事の時に、なんかあったらタクシー呼んででもいいから病院行きや!」って聞いてたので、そこに電話してタクシーに迎えに来てもらって、いざ病院へ。

タクシーも乗ったのが初めてでどうしたらいいかわからんかったけど、こういうときはなんとかなるものだ。


先生の話をしっかりと聞くしかなかった。

午前診察時間ギリギリに病院について、一緒に診察室へ。

あんた誰?って感じで見られたので「一緒に住んでるものです」って伝えて、とにかくわたしがどうしたいいのかを先生に教えてもらうために「どうしたらいいですか?」と震える声で質問した。

こんなときくらい、まともに話したい…わたしのコミュ障に嫌気がさす。

先生から、薬が効けばすぐに熱が下がること。安静に寝かせておくこと。暑いと感じたら冷やし、寒いと感じたら温めること。周りもマスクして、うつらないようにすることを聞いた。

これまで病院もあまり行ったことがないから仕組みもイマイチ理解してなかったけど、なんとか診察も終わって薬やら諸々手に入れてタクシーで帰宅。

彼女は、インフルエンザB型らしい。


そもそもわたしは看病の仕方がわからない。

わたしは看病された記憶がない。

インフルエンザになったことがあるかはわからないが、熱があっても本当に動けないとき以外は学校に行っていたし、どうしても動けないときに休んだとしても「面倒かけんな」って罵倒しながら出ていく母を見送りながら一人で寝ていただけ。

病院に連れて行かれることはなかった。

そんな状況で、病院に行くほどの大病にかからなかったということは、ただただラッキーだっただけだろう。

だから、いざこうなったときにどうしたらいいのか全然わからず、ただただ焦るだけの自分がとても無力だと思った。


無力を痛感しながら寄り添うことしかできない。

わたしとの生活で無理させた続けたこと、昨日も寒い中たくさん外で遊んでくれたこと。

さまざまな後悔がわたしを襲う。

「わたしのせいで、大切な人を苦しませている」

「わたしじゃなかったら、もっと彼女は幸せになれるのに」

そんな思いに潰されそうになっていた。

なにをたいそうな、とお思いかもしれないが、わたしは「インフルエンザ」をあまり理解していない。

そんな中で、風邪とかじゃなくてハッキリとした仰々しい病名を告げられ、実際高熱におかされる彼女を見てしまったことで、大病だと思ってしまうことは理解してほしい…。もうパニックである。

そんな中、フォロワーさんたちにいろいろ教えてもらって、薬飲んで寝ていれば治ることを理解し、ひどくなれば命に関わる場合もあるということも理解した。

ただこのまま熱が下がれば大丈夫で、薬を飲んだら概ねすぐに下がるはずと言われているので、しばらく様子を見ようと思う。

そんなことも知らないわたしが看病していること自体も、彼女に申し訳なくなり、どこまで迷惑をかければ気が済むのかという気持ちでいっぱいだった。


とにかく早く治りますように…。

フォロワーさんたちに励まされ、たくさんの言葉をいただいた。

インフルエンザがわたしのせいなわけがない(らしい)ということも、わたしがいるから彼女は安心できてる(らしい)ことも聞き、わたしの心はゆっくり落ち着きを取り戻してきた。

今、彼女はスヤスヤ眠っている。

薬が効いているのかな?

握っている手はまだ熱いけど、そのうち良くなるよね?

今のわたしにできることは、彼女のそばにいて起こさないように気をつけながら手を繋ぎ、何があってもすぐに対応できるようにしておくこと。

彼女が少しでもゆっくり寝られるように空調を気にして、部屋の電気を消しておくこと。

わたしにできるのはそれくらい。

情けなくて頼りない彼女(わたし)でごめんね…

とにかく早く、彼女が元気になりますように……。

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