隠し通せなかった弱さを憎む。
朝からずっと、なんか体調がおかしかった。体が怠くて痛くて寒い。たぶん、気温のせいと睡眠不足だろうと思ってたけど、どうも違うっぽかった。でも、今わたしが倒れたら、彼女に迷惑をかけてしまうし、彼女を守る人がいなくなってしまう。だから隠そうとしたけど、彼女には隠せなかったのだ。今回はそんなお話。
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夕飯を終えて早めの就寝。
正直、体が言うことを聞かないのと、味がわからないのとで、料理していても全然うまくいかなかった。
卵は力加減を誤って2個無駄にした。
これはダメな気がする。
正直、強烈な寒気や体の痛みが耐え難い感じだったのだ。
こっそりたくさんインナーを着込み、夕飯を終えて、早く寝ることにした。
真夜中、異変に気付いた彼女からの一言。
彼女が治るまでは別々で寝ることになっている。
彼女は布団。わたしはソファー。
なんとか寝つこうとするも、とにかく寒い。
体が痛い。
世界が回る。
寝れない。
全然寝付けないまま数時間、ソファーで横になっていた。
どういう方向で寝ても体が痛いから、重い体を動かしながら、寝返りを打ち続けていたら、夜中頃、彼女から声をかけられた。
「なぎ、寝れへんの?」
「……うん、ちょっと、ほら。寒くて。」
精一杯の嘘。
上がる息を抑えて、バレないようにバレないように。
すっと立ち上がって歩み寄ってくる彼女の手が、わたしの額に乗る。
「すごい熱やん!!なんで言わへんの!!いつからよ!?」
「いや、エアコンに当たりすぎて熱くなっただけやから。大丈夫」
「大丈夫なわけないやん!朝すぐに病院行くからね!」
もうダメだ。バレた。
「ごめんなさい…昨日の朝からやけど、寝てれば治るから大丈夫。一緒に寝てよ?ゆっくりしよ?」
「アホ!それはインフルがうつったんやん!そんな中、無理させてごめんな…」
彼女は何も悪くないのになぜ謝るのか…けど弁解する元気もなく、彼女の手を握ってわたしは泣き崩れた。
心配をかけてしまったこと、怒らせてしまったことが情けなくて、隠し通せなかった自分の弱さを憎んだ。
「わたしこそ…ごめんなさい……」
翌朝、すぐに病院に行くことになった。
インフルエンザB型発症。
翌朝、熱を測ってみたら39.8度だった。そういえば、熱を測った記憶があまりないなと思った。知識としてこれが高熱であることは理解しているのだけど。
彼女はもう熱が落ち着いてきていたので、動くことができるようになっていた。
彼女の運転で早速病院へ。
わたしは安心感からなのか、寒くて熱くて痛くて動くことができなくなっていた。
診断の結果、彼女と同じインフルエンザB型との診断がくだる。
「おそろい…やね…w」
「アホか!なぎは無理しすぎやねん!私もインフル持ってたのに熱出る寸前にイチャイチャしてしまってごめんね…もっと早く気付いてたらよかったのに…」
「いいの!なっちゃんとイチャイチャするのは幸せやし!わたしこそ、うつってごめん…」
「うつって謝るやつ初めて見たわw 気にすんなw」
仲良く布団で一緒に寝ることができるようになった。
帰宅してから、彼女がいろいろやってくれた。
しんどいはずなのに申し訳ない。本当にわたしは情けない。
「私はもう山を越えたから大丈夫。リハビリがてらに看病するわw」
この人は本当に優しい人だ。
もし次こんなことがあったら、お互いすぐに隠さず言う事を約束して、この日から一緒に同じ布団で寝ることになった。
わたしを頼ってくれて嬉しかったこと
彼女に安心して寝ていて欲しかったこと
早く元気になって欲しかったこと
今まで熱で病院に行ったことがなかったこと
全てを伝えたら、彼女は理解してくれた。
共同生活ってきっとこういうことなんだろうね。
「なぎなりにすごい頑張ってるのは知ってるから。今までは自然治癒だったかもしれないけど、これからは病院にちゃんと行こな。他になんか調子悪いところない?」
調子悪い自覚がないので、なんともいえないというのが正直なところだった。
「まぁホント、おかしかったらすぐ病院行こね!これからもさ、私も甘えるし頼るし、なぎも無理しないでもっと甘えて頼ってね。気付かなくてホントにごめんね?ありがとう。」
他人と一緒に生活することは、そういうことなんだろうなって思った。
これまで、自分が我慢することで世の中を渡ってきたわたしにとって、頼られることも頼ることも全然ピンとこない。
だからこそ、頼ってくれることが嬉しかったし、わたしがやらなきゃっていう思いが強くなりすぎていたのだと思う。
これからはもっと「共同生活」ということと「支え合う」ということの、本当の意味について理解していけるようになりたい。
※熱が少し下がってきた感じがするので、報告の意味も込めてざっと文字にしてみたけど、全然うまくまとまってなくて読みにくい文章になってしまったことを反省。体が元気じゃないと、やっぱり言葉がうまく綴れないことを実感した。
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