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聖地、友ヶ島に行ってみた|サマータイムレンダを理系オタクがフカンしてみた #04

こんにちは。
理系オタクのフナギと申します。
少年ジャンプ+の作品、「サマータイムレンダ(以下、サマレン)」の魅力を広めて、作品を応援するために記事を書いています。

今回は、サマレンの聖地である、和歌山県の友ヶ島に出かけて、その風景を作中シーンと比較してみます!

記事の情報
難易度:易(サマータイムレンダ未読者と既読者の両方が対象、作品関連の情報発信が目的)
※本記事は、原作を未読の方でもお楽しみいただけますが、多少のネタバレが含まれますので、ご覧いただく場合はくれぐれもご注意ください。

日都ヶ島と友ヶ島の関係

サマレンの舞台は、和歌山県の日都ヶ島という離島です。
この名前の島は現実世界には存在しませんが、作者の田中靖規先生の出身地である和歌山県には、友ヶ島という日都ヶ島のモデルとなった島があります。

日都ヶ島には人が住んでいますが、友ヶ島は無人島です。
田中先生は、「もしもこの島に人が住んでいたらどんなだろう?」という思いのもと、物語の舞台を地元の友ヶ島に設定されたようです[1]。
実際、日都ヶ島と友ヶ島の地図を見比べると、島の概形が類似しており、さらに友ヶ島の地名がそのまま使用されていることが分かります。

上図:友ヶ島の地図(和歌山市HPより引用),
下図:日都ヶ島の地図(作中より引用).

ちなみに、友ヶ島には旧日本軍の要塞施設が遺っているのですが、月日の経過によって崩壊したり緑に覆われているため、ジブリの「天空の城ラピュタ」を彷彿させることでも有名です。

サマレンの世界へ

僕が友ヶ島を訪れたのは、今年の夏です。
ちょうど、和歌山市とサマレンのコラボキャンペーン[2]の期間中だったので、缶バッジをゲットすべく、旅を決行しました。
本当は、作中の日付に合わせて、7/22~7/24の間に行きたかったのですが、予定が合わず断念。結局、8月になってしまいました。

ひとり旅なので、特に準備物はありませんでしたが、コミックス13巻のプレゼントキャンペーンに運良く当選し、「オリジナルトートバック」を入手していたので、ミオと一緒に旅に出かけることにしました。(集英社様、ありがとうございました!)

プレゼントキャンペーンで手に入れた「オリジナルトートバック」(筆者撮影).

前置きはさておき、いざ、サマレンの世界へ。

帰路:和歌山市駅〜加太

友ヶ島は、和歌山県和歌山市加太という地域に属する、紀淡海峡に浮かぶ無人島郡です。
沖ノ島、神島、虎島、地ノ島の4つの島から成り、現在上陸できるのは沖ノ島のみになります。
アクセス方法としては、まず南海電鉄和歌山市駅から電車で加太駅へ向かい、そこから徒歩で加太港へ。加太港からはフェリーで友ヶ島を目指すといった流れです。

友ヶ島の位置(Google マップより引用).

早起きの眠い目を擦りながら、南海電鉄和歌山市駅の加太線ホームに到着すると、早速、見たことのある風景が!
タイミングよく、南雲先生のような人が写ってくれました。

左図:南海電鉄和歌山市駅加太線ホーム(筆者撮影),
右図:ホームと電車と南雲先生(作中より引用).

電車に揺られ、加太駅に着きました。加太港に向かいます。

南海電鉄加太駅改札外(筆者撮影).

加太港方面に歩いていると、小早川しおりの家である、コバマートがありました。

上図:加太にある小嶋一商店(筆者撮影),
下図:小早川しおり一家のコバマート(作中より引用).

家の横の階段などの細かい造りも、作中では再現されています。
現実世界では、小嶋一商店という店で、よもぎ餅や海産物を販売していました。

帰航:加太港〜友ヶ島

加太港に到着し、フェリーの切符を購入。いよいよ、友ヶ島に向かいます。
友ヶ島を往復するフェリーは、「ともがしま号」と「ラピュタ号」の2つがあり、サマレンのモデルになっているのは前者です。
時間帯か日によって、運行している船は違うと思いますが、この日の僕は運が良く、無事「ともがしま号」に乗船できました。

左図:和歌山本土と友ヶ島をつなぐフェリー「ともがしま号」(筆者撮影),
右図:和歌山本土と日都ヶ島をつなぐフェリー「ひとがしま号」(作中より引用).

フェリーに乗り込むと、フェリー後方には、第一話で潮が立っていた場所が!!

左図:フェリー「ともがしま号」の後方部(筆者撮影),
右図:フェリーで慎平に話しかける潮(作中より引用).

潮に会えた気持ちになり、狂ったように写真を連写していると、周りの人から変な目で見られました笑

さて、フェリーは出港し、友ヶ島(沖ノ島と虎島)の東側から北側に周回して、沖ノ島の北にある港を目指します。
道中、左手に虎島が見えました。

上図:フェリーから望む虎島(筆者撮影),
下図:虎島について話す場面(作中より引用).

虎島は、むき出しの切り立った地層が壮大です。

さらに島の北側に回り込むと、干潮時のみ現れる、虎島と沖ノ島の間の道が見えました。

干潮時に現れる、虎島と沖ノ島の間の道(筆者撮影).

ここはまさに、「虎島の戦い」の舞台。戦いの臨場感が肌で感じられました。

帰郷:友ヶ島

遂に友ヶ島に到着し、下船します。

上図:フェリー「ともがしま号」の後方座席部(筆者撮影),
下図:フェリーを歩く潮(作中より引用).

上陸しました。無人島なので、船着場は作中よりも簡素です。

友ヶ島の船着場(筆者撮影).

島内は、以下のルートで散策します。
通常ルートよりも第二砲台跡まで遠回りなのは、以前の台風による倒木で、通常ルートが通行止めになっていたためです。

友ヶ島の散策ルート.

まずは旧日本軍の遺構のひとつ、第一砲台跡にやってきました。
作中で、14年前の事件が起こった、まさにその現場です。

上図:第一砲台跡(筆者撮影),
下図:タカノス山の場面(作中より引用).

この場所は、作中ではタカノス山に位置しているので、現実世界と作中の場所は必ずしも一致していないようです。

アーチの向こう側は、こうなっています。

第一砲台跡(筆者撮影).

樹木と遺構の雰囲気が、確かにラピュタっぽいです。

続いて、第二砲台跡。終戦後に爆破処理されたため崩壊していますが[3]、退廃的で趣があります。
向こう岸に見えるのは、淡路島です。

上図:第二砲台跡(筆者撮影),
下図:小早川しおりを探す場面(作中より引用).

マニアックですが、第二砲台跡には、作中の第四砲台跡のシーンで使われた場所もあります。(現実世界では、第四砲台跡は立入禁止となっています。)

左図:第二砲台跡(筆者撮影),
右図:第四砲台跡の場面(作中より引用).

それでは、作中に何度も出てくるタカノス山を登っていきます。
山道は足場が悪く、かつ8月の猛暑により、引きこもりオタクの僕は地獄を見ることに笑

道中、沖ノ島の北側に位置する、神島が見えました。
神島は、淡嶋神社の起源と伝えられている神聖な島で、上陸は禁止されています。作中では沖ノ島と陸続きになっており、日都神社がある辺りです。

タカノス山から望む神島(筆者撮影).

ヘトヘトになりながら、タカノス山の山頂に到着。
ミオと記念撮影しました。

タカノス山の山頂でミオと記念撮影(筆者撮影).

そして、友ヶ島で最も有名な、第三砲台跡にやってきました。
階段を降り、遺構の中へ。

第三砲台跡への入口(筆者撮影).

中は薄暗く、湿気があり、作中に出てくる「地下壕」の雰囲気を味わうことができます。

左図:第三砲台跡の通路(筆者撮影),
右図:地下壕を進む場面(作中より引用).

弾薬庫です。古びたレンガ建築がノスタルジックですね。

第三砲台跡の弾薬庫(筆者撮影).

弾薬庫の中から見える風景は、作中では、第四砲台跡として描かれています。

上図:第三砲台跡弾薬庫内部から(筆者撮影),
下図:第四砲台跡の場面(作中より引用).

この時にはもう疲労困憊でしたが、タカノス山から下山し、無事、上陸地点の港まで戻ってきました。

港の近くの「らぴゅカフェ」で、「らぴゅカレー」を注文。

らぴゅカレー、サマレン缶バッジ、ミオ(筆者撮影).

慎平のカレーではありませんが、慎平のカレーを待ち望んだ潮の気持ちを想像しながら、味を噛み締めました。
あと、先述のキャンペーン[2]の缶バッジもちゃっかりゲットしました。


友ヶ島を十分満喫したところで、加太港行きのフェリーに乗り込み、島に別れを告げます。
行きのフェリーでは船内の座席に座っていたのですが、帰りは船の後方部に立ち、遠ざかる友ヶ島を眺めていました。

遠ざかる友ヶ島と澪(航跡)(筆者撮影).

和歌山本土に到着後、慎平の大好物であるグリーンソフトも実食しました。
あっさりしていて美味しかったです。

左図:和歌山名物グリーンソフト(筆者撮影),
右図:グリーンソフトを手にする慎平(作中より引用).

今回の旅は、サマレンの世界に飛び込んだような、夢のような一日でした。

まとめ

今回は、サマレンの舞台である日都ヶ島のモデル、友ヶ島を紹介しました。
実際に島内を歩くと、島の広さ、山の起伏、蝉の声、潮風、また夏の猛暑を肌で感じ、漫画の視覚情報だけでは分からなかった、作品の世界観を知ることができました。

まさに、自分自身が作品の登場人物になったと錯覚するような旅だったので、来年こそは、慎平が帰郷した7月21日に訪れようと決心しました。

また、友ヶ島以外にも、瀬戸内海に浮かぶ男木島が日都ヶ島の参考にされているそうなので[4]、そこにも足を運んでみたいと思います。

ぜひ皆様も、サマレンの聖地を巡礼してみてください!

参考文献
[1] 田中靖規, “サマータイムレンダ【1】”, pp.205-206, (2018).
[2] サマータイムレンダ公式Twitter, <https://mobile.twitter.com/summertime_PR/status/1417727082889580545>, 2021年12月18日アクセス.
[3] 友ヶ島汽船, “友ヶ島の紹介”, <https://tomogashimakisen.com/main/友ヶ島の紹介>, 2021/12/18アクセス.
[4] 田中靖規, “サマータイムレンダ【2】”, pp.188-189, (2018).

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