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地図が読めない私に、東西南北を教えようとするダンナさんの話。

私は地図が読めない。
女だからではない。
母の胎内に、地理感覚を忘れて来たのだと思う。

今はさすがに分かるけれど、10代の頃は都道府県と聞かれても「東京、神奈川、千葉、京都、大阪、北海道…沖縄…九州?」くらいしか分からなかった。九州は県名じゃないし(色々すみません)。

運転も極度に苦手だ。免許を取ったファーストドライブで、母に「右折」と言われ、私は「右折」と復唱しながら、華麗に左折してみせた。
母は青い顔で「あんたはハンドルを握らない方がいい」と訴えた。

近所のホームセンターにも、ナビがないと行けない。地下街から地上に上がれば、自信満々で反対方向へ歩き出す。

そんな私を補うかのように、ダンナとムスメは地理感覚が抜群だ。

「君はパソコンが得意なのに、どうして方向が分からないんだろうね?」

ダンナはしきりに「そこを左折すると環状線」とか「あの山が北だよ」とか教えてくれるが、…さっぱり頭に入って来ない。

「ごめん、ありがたいけど全然わかんない。私はナビに頼るからいいよ」
「そっかー」

このやりとりを何回繰り返してきた事か。なんならムスメにも「お母さん、家は右だよ」と教えられる始末。

しかしながら、そんな地図が読めない私にも、たった1つだけ。地理感覚が研ぎすまされる瞬間がある。「おいしいレストランに行く時」だ。

理由は分からないが、わくわくしながら美味しいお店へ向かう時だけ、私は迷わなくなる。当社比なので、一般的には「大丈夫?」かも知れないけれど…私的には、ものすごくイケてる!と感じる瞬間である。

ダンナが東西南北を教えてくれてもサッパリ頭に入らず、何なら興味すら持てなかったのに(コラ)、

どうして美味しいレストランに行く時だけ、地理感覚と仲良くなれるんだろう。たぶんだけど、大好きな事に100%フォーカスしている時は…

(A) 第六感が働く?
(B) ないはずの地理感覚が、一時的に0→1になる?
(C) 実はフツーに地理感覚があったのだが、普段は隠していた?

このどれか、もしくは、複数が働いているのではなかろうか。実際、私にしてみたら「神がかっている」としか言えないレベルで、お店にたどり着けちゃうのだから。

そんなわけで、私は苦手なコト(東西南北)じゃなく、
大好きな事(おいしいレストラン)に100%フォーカスして、
わくわくしながら行動したい。

逆に「それさえやっていればうまく行く」という謎の自信がある。
謎だから説明しないけど(しないんかい)、揺るぎない自信なんだよなぁ。

ちなみにダンナは、パソコンが極度に苦手である。何度同じことを教えても、毎回「へぇ~そうなんだ!」と新しい感動を示してくれるので、可愛いけれどイラッとする(笑)。

好きな事と絡めるとうまく行きそうな気がするので、次回教えるときには、パソコンにダンナの大好き(登山や野生動物)を絡めてみようと思う。いやソレどうやって絡めるん。



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